敬語は難しい。自分なりに敬意を払っているつもりでも、相手の年代によっては失礼ととらえられることも多々あるからだ。中でも相手をねぎらう言葉―「ご苦労様」は非常にセンシティブで、ネットでも度々論争を巻き起こしている。目上の相手には失礼、いや、そうでもないなど、意見は様々だ。

そこで、Jタウン研究所は、「目上の人に『ご苦労様』は失礼か?」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総得票数1774票、2016年8月12日〜9月6日)。果たして、その結果は――。

とりあえず「お疲れ様でした」が無難



全国的に、目上の人に「ご苦労様」は失礼であると考える人が83.5%と圧倒的に多数だった。マップも「失礼だ」の緑色1色で染まって地域差も特に見当たらず、現代社会、特にビジネスマナーにおける「目上へのご苦労様はNG」というのは共通認識と言えそうだ。

では、労いの言葉として何を使うかと問われると、メジャーなものはやはり「お疲れ様」だろう。ネットで労いの言葉について検索すると、「ご苦労様」は上司から部下へ、「お疲れ様」は立場に関係なく使えるものという説が広く浸透している。しかし、時代を遡ると実際はそうでもないのだ。

NHKで大河ドラマを製作する際の時代考証を集めた「考証要集 秘伝! NHK時代考証資料」によると、「ご苦労様」は特に目上からの言葉という風に限定された使い方はされていなかったという。本来は、身分と立場の上下を問わず使われる労いの言葉だったのだ。

広辞苑(第6版)でも、「御苦労」は、

「他人の苦労を敬っていう語。また、他人の骨折りをねぎらっていう語。他人の無駄な骨折りをあざけってもいう。」

と定義されており、目上、目下に関する記述はない。

また、「御疲れ様」は、

「相手の労をねぎらう意の挨拶語。」

という定義であり、こちらも立場に関しては言及されていない。

とはいえ、日本語というものは時代に際して変化するもの。多くの人が目上の人に対しての「ご苦労様」がアウトだと感じているなら、避けることが無難だろう。