高所が苦手な人、得意な人、その理由を専門家に聞いてみた!

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みなさん、高い所は平気だろうか? 例えば東京タワー展望台のガラスの床。「安全だ」と分かっていても「絶対ムリ!」と感じる人もいれば、「怖い〜」と言いながらも笑える人もいる。この差はどこからくるのだろう? 高所が苦手な人、得意な人、その理由と克服法を含め、メンタルコーチ・心理カウンセラーの田中よしこさんに話を聞いた。

■「高所が怖い」と感じる人の心理

まずは高所で感じる足がすくむような感覚について聞いてみた。

「高い所が苦手。お尻がむずむずする、足がすくんで動けない。こういった症状はごくごく当たり前で、防衛本能からきています。私たちに恐怖を通し、身の安全を守るためにこのような症状を出すのです」(田中さん)

どうやら高い所が苦手な人が感じるムズムズや足のすくみは本能的なもので、ごく自然な反応のようである。

「一方、『高所恐怖症』はさらにひどい症状が出ますし、辛い思いをするものです。吐き気、心臓が苦しい、他人が分かるほどの強い震え、だらだら汗が出るなどのパニック症状が出てしまう方もおられ、『苦手です』と簡単に言えるほどの症状ではなかったりします。ちなみに人が高くて怖いと感じる平均の高さは15mくらいと言われています」(田中さん)

高い所に行くと、こうした症状が出る理由は、「『高いところ=落ちて死ぬ』という強烈なイメージを持つからです。文字通りものすごい恐怖です」と田中さんは指摘する。

「例えるなら、事実は“檻の中にライオンがいる”なのに、恐怖症をお持ちの方は“ライオンが目の前で自分に飛びかかってこようとしている”という事実になっている状態です。ゆえに、例え遊園地のアトラクションや娯楽のためのものと分かっていても、とにかく『高いところは死ぬほど危険』という設定が、自分の中で出来上がってしまっているのです」(田中さん)

さらに田中さんは「そもそもアトラクションなどは、『恐怖を楽しみたい!』と楽しめる方のためのもの。恐怖症の人と同じ土俵で考えてはいけません」と指摘する。どうやら高所が苦手な人は、「怖い」と想像するレベルが人よりも高いのかもしれない。

■高所が苦手、得意な人の差はどこで生まれる?

高所が苦手、得意と感じる人の差について、田中さんがこんな見解も示してくれた。

「高いところを楽しめる人は、興奮状態のドーパミンが脳から放出されます。高い所から落ちるアトラクションに対しても、『怖い』という評判が高いほどワクワクできます。一方、高所に対して恐怖を感じる人は、脳からノルアドレナリンが放出されます。つまり、恐怖を感じる人と感じない人とでは、脳に刻まれている思考回路が違っているのです。それは自分が高所に対して持っている感情で、脳に与える作用が変わっていることになります」(田中さん)

どうやら自分の感情が脳に影響を与え、それが「高所が苦手、平気」という差を生むようだ。とても興味深い作用である。だが、なぜ高所が苦手と感じる人は「楽しい」よりも、「怖い」という気持ちの方が勝ってしまうのだろうか?

「これは性格によるものと、経験によるものがあります。ものごとを深刻に受け止める生真面目なタイプは、自分の安全圏が狭い。なんとかなるさ、の曖昧な領域がなく、“いいのか・ダメなのか”という思考で判断してしまいがち。これ以上の高さは『もう危険だ!ムリ!』と判断し、恐怖の原因探しに入ってしまいます」(田中さん)

続いて経験による恐怖について聞いた。

■経験による恐怖心の克服法

「経験で恐怖を持っている人は、文字通りとても怖い思いをされた経験があるのです。肉親や、小さい頃に仲が良かった人に○○されたなどの経験は強いトラウマとなって、年数が経っても心に傷がついている人も少なくありません。例え自分が忘れてしまっているような小さい頃の経験でも、体が覚えていたり、潜在意識が恐怖を持っていると、体の症状となって出てきて、本人に注意を促そうとするのです」(田中さん)