リオ五輪初の「難民選手団」が自らつくった、旗と歌

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リオオリンピックには、初の「難民オリンピック選手団」10名が参加している。選手団のための旗と歌も制作された。

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先日のリオオリンピック開会式では、初の「難民オリンピック選手団」が、五輪のロゴが描かれた旗を持って入場行進を行った。

これは、世界的な不安が目立つこの時代における「結束」の、強力な意思表示だった。選手団の10人は、戦果に引き裂かれた国々だけではなく、世界全体をも代表しているのだ。

しかし、この選手団に五輪のロゴという普遍的な象徴を担わせてしまうことは、彼ら自身からアイデンティティを奪うことにもなる。この選手団が本当に必要としていたのは、彼ら独自のシンボルだった。

難民オリンピック選手団のメンバーは、選択肢を手にした。非営利団体「THE REFUGEE NATION」が、選手たちおよび世界中で増え続ける難民を象徴する、難民オリンピック選手団の旗との制作をアーティストに依頼したのだ。

旗は鮮やかなオレンジ色に黒い横線が1本入ったもので、たくさんの難民が安全地帯への旅で身につけた救命胴衣を思わせる色使いになっている。この旗をデザインしたヨラ・サイードは、アムステルダムを拠点とするシリア難民だ(文末に動画)。「難民として救命胴衣を着たことがある人は、この旗を見ると感じるものがあるだろう。強力な記憶だ」とサイード氏は語っている。

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旗を身にまとう、難民オリンピック選手団のヨランデ・マビカ。

サイードは、2014年にダマスカス大学を卒業するとすぐにシリアを出発し、海を越え9カ国を通り、1年近くかけてアムステルダムにたどり着いた。そして、オリンピック選手団の旗を制作する取り組みのことを知った。コンセプトはすぐに浮かんだ。

彼女は旗を、普遍的で包摂的なものにしたかった。「国際的でなければならなかった」という。それに、シンプルなものでなければならなかった。そして何より、「印象的なものでなければならなかった」

国際オリンピック委員会から許可を受けた旗ではないので、選手が競技中にこの旗を身につけることはできない。しかしThe Refugee Nationは、祖国を追われたアスリートへの支持を集めるため、この旗を大量にリオ周辺で配布している。現在、リオ五輪で選手がこの旗を身につけられるように要望する署名活動も実施されている。サイードは、たとえうまく行かなくても、自分のコミュニティを表すシンボルの制作に携わったことが誇りだと語っている。

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