「理想の夫婦」には顔に共通点がある!? 顔の専門家に聞いてみた
「理想の夫婦」とはなんだろう。漠然とした疑問ではあるが、顔をテーマにしてみると見えてくることがある。イケメンかどうか、ではなく、夫婦として相性がいいか、という点でだ。そこで今回、"顔"の専門家である池袋絵意知さんに、有名人の夫婦を例にしてもらいながら「理想の夫婦」の特徴を教えてもらった。
○相反するものがお互いを補完する
夫婦はまず、「違う顔同士の方が相性がいい」です。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手と里田まいさん夫婦が理想的な例です。田中投手は切れ長の目で直線的なパーツが多いですが、里田さんはパッチリとした大きくて丸い目で全体的に丸みのあるパーツが多いです。
観相学には「陰陽相対の原理」というものがあります。「相反するものが同時に存在することで、お互いを補完し合い、バランスがとれてうまくいく」という考えです。実際、明と暗、動と静、SとM、光と影、男と女、昼と夜、プラスとマイナスというように、この世には全て陰と陽の相反する性質のものによってなりたっていると考えられます。
この「陰陽相対の原理」を夫婦の観点で考えると、お互い自分にない部分を補完し合うことでうまくいくと言えるでしょう。例えば、丸顔の女性ならエラが張った四角い輪郭で面長の男性が合う。目が丸い女性なら目が細い男性、口が小さい女性なら口が大きい男性が合うといったように。
○人類学的にも異なるタイプを選ぶ
また、易経繋辞上伝に「一陰一陽これを道と謂う」という言葉があります。「陰陽は互いに相反し対立しながら、助け合い、混ざり合おうとして交わりながら、発展成長する」という意味です。異なる性質を持つ夫婦が一緒に生活することで、相乗効果によってお互いが成長発展する、という関係にあると言えるでしょう。
同じ論理で、このほど、第一子の妊娠を発表した元なでしこジャパンの澤穂希さんと元Jリーガーの辻上裕章さん夫婦も理想的です。おふたりにはサッカーという共通点がありますが、顔の特徴を見てみると異なる点が多いです。
人類学的にも、自分とは異なるタイプのHLA遺伝子(ヒト白血球型抗原)を持つ相手と交配した方が、免疫力=生命力が強い子孫を残せると言われています。女性はこれを無意識の内に男性の匂いで判別しているそうですが、意識して見るならば、"顔の作りが自分と違う"相手を探すことが、結婚相手を選ぶ上で大事なポイントになると考えられます。
○一方で、似た顔の人を選ぶのもあり!?
逆に、"自分と似た顔の相手をパートナーに選ぶ"ことでうまくいくケースもあります。かつてアメリカの大学の調査で、「恋人には自分とは違った顔を求めるものの、配偶者には自分に似た顔を選ぶ」という研究報告がありました。自分と似た顔の人だと親近感を抱く人もいます。また、人種や境遇が似ていて、相手がどういう考えなのか、思考パターンや価値観が自分と似ているから相手のことが理解しやすく、安心できるというケースもあります。
例を挙げると、歌手のDAIGOさんと女優の北川景子さん夫婦がこの"自分と似た顔の相手をパートナーに選ぶ"にあたると思います。アメリカの結婚サイトでは、結婚相手に自分と同じような顔の人を選ぶ傾向から、コンピューターで顔写真を分析し、似たような顔の人を紹介するシステムがあるほどです。
○なぜ夫婦は似てくるのか?
いずれにしても、長年連れ添った夫婦は顔が似るものです。もともと違う顔同士の場合でも、一緒に暮らしていると生活習慣が同じで、食べるものも同じだからというのが一因です。
また、人間の脳にはミラーニューロンという神経細胞があって、目に映る人の行動を脳内でシミュレートするようになっています。自然と相手の表情をまねるため、顔のつくりは違っていても、表情や醸し出す雰囲気が似てきます。中には野村克也さん・野村沙知代さんご夫妻のように顔がそっくりになることもあります。
顔が違うと性格が違う。そして、性格には一長一短があります。結論としては、相手の個性を尊重するのが理想の夫婦への道と言えるでしょう。
○筆者プロフィール: 池袋 絵意知(いけぶくろ・えいち)
観相家、顔研究家、顔面評論家。出版社と人材総合サービスで営業を経験した後、顔研究の道に。古来からの観相学だけでなく、自然人類学や心理学の研究を取り入れるなど多角的な方面から顔を研究し、独自の顔面観相術「ふくろう流観相学」を確立する。著書に『顔面仕事術』『最強モテ顔講座』など。「顔相鑑定士&顔研究家&顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ」
(池袋絵意知)