4人組YouTuberアバンティーズの第2章が始まる! エイジ、初の単独インタビュー
カメラマンのリクエストに応じて飛び跳ねるたびに真っ赤な髪が揺れる。「高校では禁止されてて、卒業後に染めたんです。緑とかも試したんですけど赤が一番評判もいいし、そういうキャラで定着しちゃって(笑)」。アバンティーズのエイジは、はにかみながらそう明かす。本人にとっても赤はお気に入りの色で、身の回りの小物も赤が多いのだとか。リーダーのそらちぃは以前、インタビューで彼のことをアバンティーズの“心臓”と評した(http://news.livedoor.com/article/detail/11197215/)。実は、エイジ個人で取材を受けるのはこれが初めてなのだが、そう思えないほど軽快な口調でアバンティーズについて、メンバーについて、そしてこれからについて語ってくれた。

撮影/平岩 享 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.



保育園からの付き合い!? 幼なじみでアバンティーズ結成!



――リーダーのそらちぃさんをはじめ、4人組で活動されているアバンティーズですが、全員、中学の同級生なんですよね?

メンバーのツリメとは保育園からの付き合いです。お互いに家も近いしいつも遊んでました。そら(=そらちぃ)は小学校から、リクヲは中学から一緒ですね。

――あれこれと面白いことを思いついては実行し、YouTubeにアップしていますが、子どもの頃から活発に遊んでたんですか?

活発ではありましたね。僕、小さい頃だけで、2回も頭蓋骨を骨折してるんですよ。

――頭蓋骨? 2回!? それは転んで…

なんか、飛んだらしいです(笑)。危ないヤツだったんですよ…。小さい頃のことで思い出すのは、ツリメと海で遊んでて、つかまってた浮き輪から蹴り落とされて溺れたこととかですし(笑)。



――撮影してるわけでもないのに当時からなかなか激しいことを…(笑)。そらちぃさんとの出会いは覚えてますか? 当時のふたりの関係性は?

小学生のときに出会って、でもアイツ、中学で若干、調子にノリ始めて少し離れたんですよ。うちの中学はいくつかの小学校が集まってるんですけど、そらは社交的で、別の小学校から来たヤツともよくつるんでて。僕は人見知りなので「アイツ、いいなぁ」って感じで見てました。その後、また何かと絡むようになりましたけど。

――そらちぃさんは、わりと人間関係にも積極的なリーダータイプなんですね。

僕に言わせれば単に目立ちたがり屋なだけですね(笑)。逆に僕は人前に出たり、責任を背負ったり、何かを代表するのは苦手。裏でひそかに指揮をするようなタイプなんです。



――中学時代はメンバー全員サッカー部で、部活後のワイワイと遊んでる様子を撮影し、YouTubeにアップしたのがアバンティーズのはじまりなんですよね? ということは、その当時からインターネットは身近に存在していた?

いや、「受験が終わるまで携帯を持たせない」っていうよくわかんないルールがサッカー部の中であって(笑)、全然、身近じゃなかったんですよ。ただ、自分で撮った動画をアップできるYouTubeっていうものがあるらしいって話がどこかから聞こえてきて…。おそらく、最初にそういう情報を持ち込んだり、やってみようって言い出したのは、そらでしょうね。

――それから、AKB48主演の『マジすか学園』(テレビ東京系)をパロディにした動画を制作したと伺いました。

サッカー部の連中はみんな、AKBが好きだったんですけど、僕は全然知らなくて、それもあって当初は全然、乗り気じゃなかったんですよ(笑)。

――あまりTVも見てなかったんですか?

見てないわけじゃないけど、兄弟がふたりいるので、自分の好きなチャンネルを選べるわけでもなく、なんとなくついている番組を見てるって感じで。好きなタレントもいないし、アイドルが好きってわけでもないし、お笑い番組をちょっと見てたくらいかな?



動画が原因で学校に呼び出し! まさかの“主犯”扱い!?



――当初、YouTubeにアップロードした動画が原因でメンバー全員、親も一緒に学校に呼び出されて説教されたことがあったとそらちぃさんから聞きました。

あぁ、ありましたね(笑)。あれは確かに工場跡地に勝手に忍び込んだり、いけないことをしてたんで…(苦笑)。しかもアップロードの作業をしたのが僕だったので、僕と両親だけ、みんなとは別に呼び出されて怒られたんですよ。

――“主犯はエイジ”となったわけですね。

職員室で先生たちに説教されたんですけど、いちいち動画を見せながら「これはいけない」という感じで怒るので、うちの母親も映像見ながら笑い出しちゃったり(笑)。



――そうやって怒られたりしつつも、新しい動画をアップし続けていったんですよね?

『マジすか学園』のパロディが終わったくらいからかな? 僕もだんだん、乗り気になってきて。それまでは何に熱中するでもなく暇つぶしのような感覚だったんですけど、徐々にやる気になりました。

――周囲を笑わせたいという思いや、クリエイティブなものを作りたいという欲求は昔から持っていたんですか?

そうですね。おじいちゃんがカメラが好きで、それを使わせてもらってコマ撮りのアニメを作ってひとりで遊んだりしてたんですよ。お笑いも好きだったので、笑わせるようなことをやりたい気持ちもありましたね。実際、そのコマ撮りのアニメもコメディタッチでしたし。



――当時、YouTubeにアップするたびにどんどん視聴者が増えていくというのはどんな気分でした?

不思議な感覚でしたね。ネットで世界中に見てもらってるって感じというよりも、学校の同級生たちの口コミで広がって、地元や隣町とかで声をかけられたりすることが増えて、ちょっと嬉しくなったり。

――自分たちの映像がインターネットで世界中で見られるようになっていることに恐怖はなかったんですか?

そんなこと、考えてすらなかったというのが正直な感じですね。何も考えてなかった(笑)。



高校卒業と同時にYouTuberとしての未来を決断



――高校に進学して、活動もどんどん活発になって。当時、そらちぃさんは、高校生の映画制作集団であるKIKIFILMにも参加されていたそうですが、エイジさんは…?

そらはね、ネットの世界でも仲間を作るのが速かったし、活発でした。SNSでそういう人たちとの付き合いを広げて。僕は自分からそういうところに飛び込めず(苦笑)、見てただけ。当時は、そらがアバンティーズではなく、外部の活動に時間をとられることが多くて、僕は「なんなんだよ!」って嫉妬してましたね(笑)。

――高校卒業後のその先の将来については当時、どんなふうに考えていたんですか?

僕らみんな、将来を意識し始めるのは遅かったんですよ。大学受験が迫ってきた時期にやっとあれこれ考え始めて…。僕は当時、すでに動画づくりにハマってたので、YouTuberとしての活動をメインでやりつつ、専門学校に行って技術を身につけようと決めました。



――高校三年生の段階で、YouTuberとしての活動をメインに据えて、クリエイティブの世界で生きていこうと決めるのは、かなりの覚悟を要するかと思いますが…。

僕はいま、デザインやグラフィックのことを勉強してますけど、逆にそうやって何かを“作る”ということ以外、できることがなかったんです。言い方は悪いけど、そらも含めてメンバーみんな、そんな感じですよ(笑)。

――そこでメンバーで話し合って、チームとして本格的に活動を続けていこうと?

そうですね。事務所に所属できるということも決まってたんで。ただ、僕も含めてみんな、どの程度の深さで将来のことを考えてるかっていうとわかんない部分も多いんですよ。正直、それはいまでもそう(笑)。やるとなったら遊びではなく、きっちり集まって、真剣にやっていこうってことは話しましたけど。

――決断に恐怖や不安はなかった?

それはなかったんですよね。少なくとも、YouTuberをやめるって選択肢はまったく考えてなくて。自分にとって、一番自然な選択をしたなと感じてます。



――いまさらですが、YouTubeの何にそこまで惹かれたのでしょう?

うーん…何でしょうね? 自分で面白いと思うものを作ってアップして、そうしたら結果がすぐにハッキリと出るんですよね。面白ければ、再生数も目に見えて増えるし、コメント欄で評価を読むこともできる。そういう結果に直結した面白さかな?

――普段、どうやってアイディアを思いつくんですか?

よく聞かれるんですけど、難しいですね…。考えて考えて思いついたのって、あまり面白くないんですよ。でも、定期的にアップしないといけないので、無理やりでも考え出さなきゃいけないこともある。本当は、自然にフッと思いついたもののほうが面白いし、数字も伸びるんです。まあ、そういうのは数が少ないんですが…。

――アバンティーズは4人全員がクリエイターとして活動している部分が強みだと思いますが、その中でエイジさん自身の特徴、個性はどういった部分だと思いますか?

内容はもちろんですが、映像作品としてのクオリティを求めてかなり突き詰めて作っている部分でしょうか。カット数を増やしたり、映像効果の部分だったり、より本格的な作品を目指してます。いま学んでることもそうですが、絵を描くのがもともとすごく好きなので。

――これまでの作品でエイジさんの手によるもので最もヒットしたのは…

『音声機能で○○を注文してみた』ですね。最近の『ドッキリダンジョン』なんかも僕の作品です。というか、ヒットというだけでなく、僕が一番多くアップしてますよ! みんな、わりとサボりがちですが、僕がみんなのぶんまで埋めてることが多いです。