怒っている?外国語がキツく感じる心理学的理由

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日本政府観光局の調査では、2015年の訪日外国人の数は約1,973万7千人に達したという。また、実感としてはオフィスにいる外国出身者の数も増えているように思える。こうした中、英語や中国語をはじめ、さまざまな外国語を耳にする機会も増えたのではないか。だが時々、「外国語ってなんだかキツイ……」と感じてしまうことがないだろうか。なぜ、そう感じてしまうのだろう? 心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

日本語と外国語の違い

外国語を聞いて「キツイ」と感じてしまう理由はなんだろうか。

「日本語は、比較的フラットに聞こえる言語ですよね。対して一部の外国語は、抑揚がはっきりしています。この違いが影響していると考えられます。日本人は抑揚のある外国語の刺激に慣れていないため、『キツイ』と感じてしまうのでしょうね。日本語が、静かで落ち着いたヒーリングミュージックだとすれば、一部の外国語は日本人にとってハードロックのようなインパクトがあるのかもしれません」(内藤先生)

確かに、日本語のプロであるアナウンサーやナレーターの声を聞くと、かなりフラットな話し方をしている。こうした言葉を聞き慣れている日本人が、抑揚の強い外国語を聞いて驚いてしまうというのは納得である。

■人間が持って生まれた性質とも関係がある

内藤先生によると、外国語をきつく感じる理由には、もう一つ要因があるという。

「個人差があるので、あくまで一般論として話します。電車の中などを見ているとわかるのですが、日本人は比較的小さな声で話す人が多いですよね。対して外国人は、大きな声で話すことが多い。つまり言語的な問題というよりも、単純に声の大きさが影響しているのだと考えられます」(内藤先生)

声の大きさが「キツイ」という心理に影響しているというのはどういうことだろうか。

「少しかわいそうなのですが、生まれたばかりの赤ちゃんの前で大きな音を出すと、何かにしがみつこうとします。ここからわかるのは、人間は皆、大きな音を聞くと怖いと感じてしまうということです。そのため、声の大きな外国人の話し方を『キツイ』と感じてしまうのだと思います」(内藤先生)

ここで一つ疑問が生じる。人間が皆、大きな音に恐怖心を抱くのだとしたら、どの国の人たちも静かな話し方になるのではないか。

「この性質は、基本的に生まれてから数カ月で消えます。その後は、育つ場所の文化的な影響を受けるのです。よって日本人は外国人と比較すると静かな話し方をする傾向がありますし、その逆も然りというわけです」(内藤先生)

当然だが、外国語を「キツイ」と感じたとしても、話している外国人に悪意があるわけではない。日本語と外国語の違い、あるいは日本と外国の文化の違いがあることを認識し、偏った見方をしないよう気を付けるべきだろう。

「教えて!goo」では「声の大きな外国人の話し方を『キツイ』と感じてしまう?」ということで皆さんの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「解決したがる男共感がほしい女」(大和書房)、「アドラー心理学あなたが愛される5つの理由」(ぱる出版)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)