先日、パソコン周辺機器などを手掛けるアイ・オー・データ機器から、リモコン型マウス&キーボード「IS-RCKB」なる製品が発表された。表はリモコン型マウス、裏はコンパクトキーボードというなかなか変わった空中マウスで、スティックPCとの組み合わせに適しているという。さっそく実機を試用する機会を得たので、ミニレビューをお届けしよう。

スマホより幅はないが、思ったよりも大きめのボディ

IS-RCKBは、テレビのリモコンのような本体に、空中マウス機能とコンパクトキーボード機能を搭載した製品だ。本体表側にはリモコン型マウスを、裏側には38キーのコンパクトキーボードを備え、これ1台で離れた場所からパソコンをコントロールできる。

アイ・オー・データ機器「IS-RCKB」。発売は2016年6月中旬を予定。価格はオープンだ

パソコンとの通信には、2.4GHz帯無線通信を利用。標準ドライバーで動作するので、パソコンのUSBポートに専用レシーバーを挿すだけで利用可能となる。専用レシーバーはコンパクト設計なので、スティックPCに接続しても出っ張りがほとんどなく、テレビに接続されているほかのケーブルと干渉しないのはうれしいポイントだ。通信距離は約10mで、テレビの裏側に設置した状態で、7〜8m離れたところからでもちゃんと操作することができた。ちなみに、IS-RCKBの対応OSは、公式ではWindows 10/8.1/8/7とアナウンスされているが、標準ドライバーで動作する「Playstation 4」に接続したら普通に利用することができた。

PCとの通信に使用する専用レシーバー

PCとの通信に使用する専用レシーバー

スティックPCのUSBポートに接続しても出っ張りが少なく、テレビに接続されているほかのケーブルに干渉しにくい

本体サイズは54(幅)×16(高さ)×170(奥行)mmで、電池を除いた重量は約100g。電池は、単四電池2本を使用する。本体は筆者が普段使っているスマートフォン「Xperia Z1」より幅はないが、普段使っているテレビリモコンと比べると幅があり、リモコンという先入観があったためか、初めて手にしたときは意外に大きいなという印象を受けた。重さは電池を入れると軽いスマートフォンくらい。外装が樹脂でできていたためか、それほど重くは感じなかった。

電源は単四電池2本。連続使用時間は、マウスが30時間、キーボードが約60時間だ

電源は単四電池2本。連続使用時間は、マウスが30時間、キーボードが約60時間だ

指が届かないということはないものの、手に持ってみるとやはり大きい

指が届かないということはないものの、手に持ってみるとやはり大きい

Wiiリモコンみたいなマウス操作。キーボードは誤入力しにくいが、長文入力には不向き

ここからは、肝心のマウス操作とキーボード操作の使い勝手について見ていこう。

まずはマウス機能からだ。冒頭でも述べたように、IS-RCKBの表側にはマウス機能が用意されている。基本的なマウスカーソルの操作は、表面に用意されているマウス操作ON/OFFボタンをONにすることで行える。本体に内蔵されているジャイロセンサーと連動し、Wiiリモコンのようにリモコンを持った手の動きでマウスカーソルを操作でき、手も疲れず、左右クリックは右クリックとOKボタンとして独立しており誤操作も少ないため、操作は案外快適。23インチの液晶ディスプレイと組み合わせたときも、マウスカーソルの動きがそれほどシビアではなく、空中マウスによくありがちなストレスは意外と少なかった。

また、マウス操作ON/OFFボタンをOFFにすると、マウスカーソルをロックし、カーソルキーを使った操作が可能になるのもポイントだ。スタートメニューやデスクトップ画面でのコンテキストメニューなど、マウスカーソルだと操作がしにくい細かい操作も正確に行える。Webブラウザーの戻るボタンやウィンドウズスタートボタン、ファンクションキーと組み合わせた音量調節機能も用意されており、リビングPCで使うレベルのマウス操作であれば、ほぼ問題なく使えるだろう。

表側のにはマウス機能のボタンやファンクションキーが並ぶ

表側のにはマウス機能のボタンやファンクションキーが並ぶ

キーボード操作については、本体をゲームコントローラーのように持ち、本体裏側に用意されている38キーのコンパクトキーボードと、表側に用意されている2つのファンクションキーを使って行う。なお、日本後入力はローマ字入力のみ対応。かな入力には対応していないので注意が必要だ。

実際にキー入力している映像を下記に掲載しているが、使用頻度の高いDeleteキーですらファンクションキーと組み合わせて入力する必要があり、ブラインド入力はほぼ無理だ。キーボード入力時は裏側になるファンクションキーについては慣れればそれほど問題はないのだが、やはり元々のキーの数が少なすぎるため、ファンクションキーとの組み合わせがしっかりと頭に入っていないと素早く入力するのは無理だろう。キー自体はクリック感がしっかりあるタイプなので、それほど入力ミスすることはないと思うが、使用頻度の高いキーについては、もうすこしどうにかしてほしかったというのが本音だ。

裏側のキーボード。キー自体は38キーしか用意されておらず、ファンクションキーとの組み合わせて利用するのが前提だ

キーボード入力時は、本体をゲームコントローラーのように持つ

キーボード入力時は、本体をゲームコントローラーのように持つ

まとめ

ここまでIS-RCKBをみてきたが、さすがに一般的なパソコンと同じ利用用途での使用は厳しいものがあるが、動画視聴や簡単なネットサーフィンといったリビングPCでの利用用途であれば、キーボード入力に若干のクセはあるものの、そこそこ実用的に使えるだろう。個人的には、コンパクトなスティックPCを活用してリビングPCが見えないよう隠しているのに、キーボードやマウスがテレビ周辺にドーンと鎮座しているのが許せないので、IS-RCKBのようなデバイスの登場は結構うれしかった。欲をいえば、PCの電源もリモコン側でONにできるようになれば完璧なのだが、こればっかりはリモコンだけでは対応できないので、スティックPCの今後の進化に期待したいところだ。テレビのまわりに余計なデバイスを置けない、リビングにキーボードやマウスがあるのはイヤ!という人は、IS-RCKBを導入してみはいかがだろうか。


>> アイ・オー・データ機器のリモコン型マウス&キーボード「IS-RCKB」を試してみた の元記事はこちら