だが、日本は横パスを多用し、一発でのサイドチェンジや、相手のDFラインの裏を突くミドル、ロングパスも少なく、局面の打開はMF堂安律と遠藤渓太の単独ドリブルに頼らざるを得ない状況で、当然攻撃は単発に終わり、ペナルティエリア内から放ったシュートはゼロ。逆に韓国のカウンターを浴び失点を喫して0-1で敗れた。
 
 相手のレベルが上がれば上がるほど、『やってはいけない』致命的なミスを犯してしまう危険性は上がる。当たり前のことだが、それは起こるべくして起こる。こうした経験ができたことが今大会の収穫であり、参加した意義でもあるだろう。
 
 だが、いつまでも「良い経験だった」の言葉で片付けてはいけない。今回参加した全員が、「なぜこうなったのか」「こうならないためにはどうすべきか」をもう一度真剣に考え、個人としてもチームとしても、しっかりとインプットしていかなければ、必ずまた同じことを繰り返してしまうだろう。
 
「良い経験だった」と言えるのは、インプットしたことをアウトプットした時。つまりはU-19アジア選手権、U-20ワールドカップで結果を出してこそ言えるということを忘れてはならない。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)