「プロフェッショナル 勝者のための鉄則55」より

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「岡崎慎司選手が所属するレスターが133年ぶりに優勝しそうだって? あんまり話題にする必要もない。よその国のことだからね。そんなもん100年ぶりも300年ぶりも関係ないねえ」

 世界を驚かせ、感動させたサッカー英プレミアリーグ、レスター・シティの奇跡も、このヒトに言わせると、この調子。野球解説者・張本勲氏(75)のTBS『サンデーモーニング』(毎週日曜8:00〜)での発言が、またまた炎上した。

 張本+『サンモニ』発言はざっと挙げてみても、

「イチローの安打記録は日米通算。日本記録保持者は私」
「(自分の発言を批判したダルビッシュ有に)男なら日本に帰ってきて私の前で言いなさいよ」
「(最高齢ゴールを決めた)カズのファンには悪いけどね、もうお辞めなさい。J2は野球でいえば2軍。2軍で頑張ってもねえ(注1)」
「(女子W杯で2位のなでしこジャパンに)スポーツは2番じゃ意味がない!」
「(卓球W杯で2位になった)石川佳純あっぱれ!(普段は1位しかあっぱれは言わないが)ほら、女の子だから!」

 そりゃあ炎上するよ!……という底の浅く、矛盾した傲慢な発言ばかりだ。

 張本氏自身が大記録を持つ野球界ならまだしも、何も知らない他のスポーツに関しても偉そうに切って捨てるため、反発も大きい。サッカー好きの芸能人たちから、「ああいうとこが嫌いやねん」(岡村隆史・45)、「おじいちゃんの戯れ言」(加藤浩次・47)、と猛反発を食らったのも当然だろう。

■張本暴言には”黒幕”の存在?

 テレビ局がコンプライアンスを異常に気にする昨今だが、炎上や軋轢を生む<暴言マシーン>と化した張本氏は、なぜ降板させられないのか。

「『サンモニ』のキャスティングや方向性を決めているのは、司会者の関口宏(72)。局上層部とも昵懇の仲で、TBSは関口に何も言えない」(芸能プロ関係者)

 つまり張本氏にそう言わせている(注2)のは、関口宏ということか──?

 確かに番組を見ているだけで、関口のサッカー嫌いは伝わってくる。さらに政治関連のコメンテーターには、偏向報道批判を浴びている岸井成格氏(71)(注3)を起用。ゲストも似通った思想の人たちで固めてくるあたりに、関口宏の趣味嗜好が伺える。

 やたら偏向した政治用語や流行ってもいない野球用語を持ってくる『流行語大賞』(注4)を、筆者は以前、<団塊サヨクのおもちゃ>と批判した。この番組の主張や雰囲気も、まさにそれ。テレビ視聴者の中では多数派の団塊世代に支えられ、視聴率も好調。たかがスポーツで若い世代が炎上しようと、まったく気にならないのかもしれない。

 とはいえ野球界からも、こんな声がある。

「(張本氏に)お前、人のこと言う権利があるか! と、テレビに向かって文句を言っているよ」(野球解説者・野村克也氏・80)

 いっそ岸井氏とポジションを変えて、安倍政権に「喝!」、共産党やSEALDsに「あっぱれ!」したら如何だろうか? 誰が言っても関口宏は喜ぶだろう。

(注1) カズへ引退勧告…張本氏とは違う観点だが、筆者も勧告はした。
(注2) 言わせている…雰囲気で誘導している。
(注3) 岸井成格…前「NEWS23」キャスター。
(注4) 流行語大賞…昨年は<トリプルスリー>を選んで大批判を浴びた。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ