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 韓国の前身といえる朝鮮王朝は厳格な儒教国家であり、長幼の序を貴ぶ精神は今の韓国にも連綿と受け継がれているといわれている。そのため、韓国では年長者を尊重する傾向にある。しかし、最近ではそうした精神に疑問を感じさせる事件が相次いでいる。

 4月25日、2015年に韓国国内で起きた事件の中でも、飛び抜けて悪質な事件を起こしたキム被告(56)に、懲役12年の刑が宣告された。

 事件は昨年9月25日に起きた。山道に姿を隠したキム被告は、通りがかった80代の老婆の後をつけて暴行した後、80万ウォン(約8万円)相当の金品を強奪。その後、再び現場に戻ると、老婆の胸を揉むなどの性的な暴行を加え、さらに陰部と肛門に石を詰め込むという、猟奇的行為に及んだのだ。

 結局、キム被告はすぐに逮捕されるが、先述した敬老精神をかけらも感じさせない所業には、判決が下った今でも各地で怒りの声が続出している。

 一方、最近では、誤った形で高齢の母へ“仁義を尽くした”事件が起こり、その悲劇に各地で嘆きの声が相次いでいる。

 4月中旬、慶尚北道(キョンサンブクト)のある地域で、自動車の窃盗容疑で逮捕されたパク容疑者(60)。問題は、その車の中に積まれていた黒い袋の中身。なんと、袋の中には実母(86)の遺体が隠されていたのだ。

 パク容疑者は事業の失敗により、母親を連れて全国各地を転々とする生活を送っていた。2016年に入るとそうした流転生活すら難しくなり、全羅南道(チョルラナムド)の麗水(ヨス)市内にある貯水池のそばに穴蔵を掘って、そこで雨風をしのいでいたようだ。文明から遠く離れた生活は、高齢の母親の寿命を確実に縮めており、母親は2月末には穴蔵の中で亡くなってしまう。

 しかし、パク容疑者には母の葬儀代がなかった。彼は母親の遺体に塩を振りかけると、穴蔵の中に放置したのだ。そうした生活を1カ月も続けたパク容疑者だが、ようやく仕事が決まりかけた。そのため、彼は母親の遺体をそのまま車に乗せて載せて移動していたのだ。

 いくら葬儀代がなかったとはいえ、パク容疑者の行いは、死者の尊厳を踏みにじる行為。とはいえ、韓国ネット民の多くは「本当に哀れで残念だ」「難民、難民と声を荒げるよりも、こうした人たちを助けるべきだろう」「金がない人たちは、将来どう生きていけばいいの? 教えてほしい。貧しい人たちのために国がしてくれたことは、何があった……」と、沈痛なコメントが多数。どうしようもない貧しさに同情を寄せる声が少なくなかったのだ。

 地獄のような国ということで“ヘル朝鮮”と自国民が揶揄している韓国。まさに地獄のような悲劇といえるかもしれない。