Appleは現地時間の1月11日、iOSの最新ベータ版となるiOS 9.3ベータを開発者およびテスター向けに公開しました。これにあわせて公開されたAppleのページでは、iOS 9.3では夜になると画面のブルーライトをソフトウェア的にカットする機能やiOSでは初となる複数のユーザーのサポート、中身を他の人に見られなくするロック機能つきの「メモ」アプリなど、新機能とアプリのバージョンアップがいろいろと含まれていることが公表されています。

iOS 9.3 Preview - Apple

http://www.apple.com/ios/preview/

◆夜になると画面のブルーライトを低減する「ナイトシフト」

ディスプレイの発光を制御し、人間の目や体内時計に影響を与えると言われるブルーライトを抑制する機能が搭載される見込み。端末の時計とGPSによる位置情報をもとに現在位置の日没時間を把握し、自動でディスプレイの色温度を暖色の方向へとシフトさせることでブルーライトを減少させるようになっています。朝が来ると再び元の色に自動で戻るようにもなっているとのこと。



◆「メモ」アプリにパスワード・Touch IDによるロック機能が追加

手軽にテキストや手書きのメモを残せる「メモ」アプリを使っている人も多いと思いますが、他の人に見られたくない内容にパスワードやTouch ID(指紋認証機能)によるロックをかけられるようになります。これまでは、いったん端末のロックを解除するとメモの中身を全て見ることができたので、他の人に端末を渡した時に誤って内容を見られてしまう可能性もあったわけですが、この2段階めのロック機能があればその心配も激減するというわけです。なお、メモではさらに作成日時や文字順でのソート機能も追加されるとのこと。



◆「For You」のニュース機能を強化

ミュージック内の「For You」にニュースを表示する機能が強化され、ユーザーの好みに応じた内容が表示されるようになるとのこと。これにより、おすすめ機能やトレンドの紹介などが追加されるようになるとしています。ただし、この機能はアメリカ・イギリス・オーストラリア限定となっている模様です。



◆「ヘルスケア」アプリの機能強化

体重や血圧、心拍数などの健康情報を管理できる「ヘルスケア」アプリが改良され、サードパーティー製アプリとの連携が強化されたほか、アプリのダッシュボード画面に他のアプリを組み込むことが可能になります(一部地域のみ)。また、Apple Watchと同様に「アクティビティ」「エクササイズ」「スタンド」の項目がヘルスケアの画面で表示されるようになるので、情報をiOS端末の画面で一元管理できるほか、サードパーティー製アプリとの連携が可能になるとのこと。



◆「CarPlay」の機能強化

iOS 9.3ではCarPlayの機能が強化されます。Apple Musicの「Now」や「For You」が自動車のディスプレイで表示できるようになり、専門家による選曲や好みに応じたセレクションを楽しめるようになるとのこと。また、近隣の情報を表示することで、ガソリンスタンドや駐車場、レストランなどの情報を簡単に把握できるようになります。



なお、AppleのサイトではCarPlayに対応している100台以上の自動車の一覧が表示されています。

CarPlay - Available Models - Apple



◆教育の現場で1台のiPadを複数の生徒で共有する「マルチユーザー機能」をサポート

学校などの教育に取り入れられることが増えてきたiPadですが、1台のiPad端末を複数の生徒で共有できるマルチユーザー機能が追加されます。この機能を使うことで、教室に端末を置いておけば、授業のたびにやって来る生徒が自分のIDでログインすることで、自分専用の端末として使えるようになるとのこと。また、生徒の学習を管理できる「Classroom」アプリや生徒のアカウントを管理できる「Apple School Manager」などの機能が追加されます。なお、この機能は教育機関向けに開発されたもので、一般のユーザーは少なくともiOS 9.3の段階では使用できないとのことです。



iOS 9.3のベータ版は以下のサイトから誰でもダウンロードして試してみることが可能になっています。とはいえ、まだベータ版の段階のため、手元に余っている端末があって、いち早く新機能を試してみたい人以外は避けておくのがベターです。

Apple Beta Software Program