ウェブ関係者よ、PVの話をするのはもう止めよう

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ウェブサイトの「評価基準」として長く使われてきたページヴュー(PV)。しかしここ数年の議論として、新たな指標が求められている。

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ページヴュー、いわゆるPVは、ゾンビだ。オンラインでの人気度を測る方法としてはもはや意味のないものだと、何年もの間言われて続けている。単なるクリックが王冠に埋め込まれた宝石のように価値ある指標だった時代は終焉した。誰かがこのゾンビにとどめをさす必要がある。

「PVは死につつあると、われわれは10年間言い続けてきた」と、『WIRED』の発行元コンデナストを含むウェブ上のパブリッシャーを代表するデジタルパブリッシング業界団体、デジタルコンテンツ・ネクスト(Digital Content Next)のCEO、ジェイソン・キントは言う。「まだ死んではいない、しかし、死ぬべきだ」

PVは、クリックスルーと同様、ウェブサイトが自らの訪問者のことを理解するうえで重要な方法だった。PVは、報道機関が自分たちの記事の読者が誰で、どれだけの数の人が、どのくらいの頻度で、どこから来て読んでいるのかを知るための方法であり、広告主がこれらのサイトに広告を出すときに価値を算出する手段として機能していた。

しかしPVは、最も腹立たしいものとして非難される悪名高き「クリックベイト」(釣り)を生み出した。品質よりも挑発が優先され、工夫に好奇心が取って代わった。PVはまた、「検索エンジン最適化」(SEO)の最優先や、見出しやメタデータ、本文にキーワードを用いてグーグルのページランキング・アルゴリズムの上位に押し上げようとする技法を促進した。

「インターネット上のニュースは無料であるべき」との考えを支えてきたのはディスプレイ広告だが、そのディスプレイ広告によって支えられているオンラインパブリッシングの経済圏において、これらすべてが、有効に作用していたのである。

多いことは、いいことだ

PVが堕落させる効果を及ぼしてきただけでなく、PVそのものも堕落してきた。PVは容易に偽装可能なのだ。下記の画像ギャラリーを見てもらえればよくわかる。

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広告主は、無限に続くスライドショーがクリックされるたび、それをPVとしてカウントしてもその読者がページに訪れるきっかけとなった最初のクリックの向こうにある「純粋な興味」を加算していることにはならないと理解している。それは低品質な「エンゲージメント」であり、チャンネルをザッピングしながらテレビを視聴する行為のインターネット版、だからである。

しかし、PVは消え去っていない。「依然として議論されているに留まっている。なぜなら、それらは広告在庫と相関しているからだ。PVが増えれば、広告の表示も増加する」とキントは言う。「しかし、それは問題の一端にすぎない」

ウェブサイトは、ボットを購入して「クリック」させ、PVを人為的に膨らませることもできる。この種の詐欺はマーケティング担当者や広告業界にとって重大な関心事となり、彼らはモバイルあるいはウェブ上で、広告が実際に生身の人間に見られているという保証を求めるようになった。

結果として、広告業界はより意味のある指標を探し求めている。「可視性」や「透明性」と言った概念が広まっているが、その意味や測定方法はまだ曖昧である。

「PVや滞在時間といった、ある特定のKPI (重要業績指標) を用いたとしても、それではあまり意味がない」と、ハースト・デジタル・メディア(Hearst Digital Media)のオーディエンス担当副社長ブライアン・マッデンは、2015年のパネルディスカッションで述べている。「なぜなら、それらは文脈を完全に無視しているからだ」

では、何で測定しようか

デジタルにおける指標が、完全になくなってしまったというわけではない。「メディアに投じられる資金のうち、デジタルに投入された資金の割合は十分に大きなものとなった。メディアはいま、疑問をもち始めている」とキントはいう。「最大の疑問は、金がどこに流れているのかということだ」

それを把握するために、広告主は複数の指標を組み合わせて用いている。その1つに、PVをひと回り豪華にしたような「インプレッション」(impressions)がある。インプレッションは、ページがクリックされたかどうかとは無関係に、広告が表示された回数をカウントするものだ。あるいは、特定のコンテンツが異なる個人に閲覧された回数をカウントしようとする「ユニークヴィジター」(unique vistor)も用いられる。

しかし究極的には、パプリッシャーや広告主が最も関心があるのは、個人が記事に対して“質の高い”時間をどれだけ費やしたかである。それを判断するために、「滞在時間」や「スクロール深度」、「エンゲージメント」や「回遊率」「シェア」「読了率」など、パブリッシャーは新しい指標を開発している。

「核となる指標がなくなるとは思わないが、重要ではなくなるだろう」と、ワシントン・ポストのオーディエンス開発・アナリティクス担当副社長、ベス・ディアスは説明する。

ディアスによれば、カギとなるのは、自社の記事にたどり着いた読者がどこから訪問しているのか、いずれの場合でも比較できる指標を使用することにあるという。例えば、記事の「滞在時間」は、読者がFacebookから来た場合も、ホームから来た場合でも大きくは変わらない。ディアスが言うには、企業は大量のデータのなかから何が最も重要であるかを見極めなくてはならないのだ。

そしてそれは、従来のウェブブラウザー、アプリ、モバイルウェブ、そしてFacebookやTwitterのようなソーシャルプラットフォームとの間で分析を統合するのに役立つと言う。「われわれが2016年に本当に必要としているのは、プラットフォームの違いにかかわらず、自分たちのコンテンツを完全に1つの視点から捉えることだ」と彼女は言う。

結局のところ、過去20年間にわたってニュースはウェブにとって重要なパートであり続けてきた。しかし、その支払いのための決定的な方法をまだ誰も考え出せていないようだ。

広告主やパプリッシャーは、オンライン広告スペースを売るための最適な方法を見つけ出せていない。彼らはまた、われわれがウェブ上で記事を読む方法の変化の先を行く方法を探そうともしている。しかし、これまでにわかったことの1つは、PVは大した意味をもたないということである。

PVの次に来る指標、あるいは複数指標の組み合わせが、インターネットをよりいいものにしてくれることを願おう。

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