中国メディアの中国網は2日、「殲−11B重戦闘機、遠距離制空作戦の主力」と題する記事を発表した。同記事は、「殲−11B(J−11B)」の性能を、ロシアの「Su−27」の「6倍」と断言した。(写真は中国網の上記記事掲載頁キャプチャー)

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 中国メディアの中国網は2日、「殲-11B重戦闘機、遠距離制空作戦の主力」と題する記事を発表した。同記事は、「殲-11B(J-11B)」の性能を、ロシアの「Su-27」の「6倍」と断言した。

 記事はまず、中国は1980年代になり、周辺国の空軍装備の向上に対応するため、新型戦闘機を必要とするようになったと説明。ただし、開発に着手した「J-10」はエンジンが完成できなかった。

 そのため1990年にロシアと「Su-27K」戦闘機と、「J-10」用にターボファンエンジンの「Al-31FN」の輸入の契約を結んだ。

 中国はロシア側の許可を得ず、「Su-27K」を改良して「J-11B」とした。「J-11B」では電子系統(アビオニクス)、グラスコックピット、火器管制レーダーを新式のものに交換したという。

 記事は「J-11B」についてデータリンクの利用により早期警戒機との共同作戦も可能になったと紹介。搭載できるようになった「PL-12(霹靂-12)」空対空ミサイルはロシア製の「R-77」よりも優秀と主張した。

 またグラスコックピットを採用することで、相手機への対応能力が向上と紹介。Su-27Kは、安定性の余裕をあえて小さくするRSS(relaxed static stability、静安定性の緩和)で機動力を向上させたが、J-11Bはさらに、中国が開発したフライバイワイヤの採用でコントロールの精度向上、重量低減、コンパクト化、低コスト、ソフトウエアの修正が容易になるなどの利点を得たという。

 エンジンはロシア製の「Al-31K」から国産の「WS-10(渦扇-10、コードネームは太行)」に換装。出力が大きく燃料消費は少ないなどの特長があり、離着陸距離も短くなったという。

 記事は、「J-11B」は戦闘機分野で、中国国産と先進国の距離を縮めたと主張。画期的な戦闘機であり、総合作戦能力は「J-10の1.6倍、Su-27の6倍以上」と紹介した。ただし、「比較の数字の意味と根拠」は示さなかった。(編集担当:如月隼人)(写真は中国網の上記記事掲載頁キャプチャー)