脊髄を損傷して運動機能に障害を受ける患者は、日本国内だけでも毎年4〜5000人発生していると言われる。現在のところ、脊髄損傷の抜本的な治療方法はまだ見つかっていないが、さまざまな分野で研究が進められており、最近では再生医療の分野が大きな注目を集めている。2010年、慶應義塾大学の岡野栄之教授らの研究チームは、脊髄損傷で首から下が麻痺した小型のサルにiPS細胞を投与して、自力で歩けるように回復させた。2016年には