開沼博は紛うことなきエリートである。医者の息子として生まれ、福島県内有数の進学校から東大へ進み、博士課程に在籍する。多くの言論誌に福島や原発に関する論稿を寄せる気鋭の社会学者としての開沼の経歴は王道感に満ち、中には香ばしいエスタブリッシュメント臭を見出す人もいるだろう。その開沼の最新刊『漂白される社会』 では、ホームレスギャルの移動キャバクラ、売春島、脱法ドラッグ、裏カジノなどと、王道とは程遠い「