元テレビ局員でPR戦略の専門家である下矢一良氏が、自身のYouTubeチャンネルで「知らない間に巨大予算が動いています。政府広報に起きている異例の変化を解説します【内閣広報室】」を公開した。動画では、来年度の政府広報予算が例年の10倍以上に急増している現状を取り上げ、その背景にある「自前メディア設立」の可能性と、税金を使った事実上の与党PRになりかねない危険性について強い懸念を示している。

下矢氏はまず、内閣広報室の予算が従来の約7億円から70億円以上へと10倍に膨れ上がっていると指摘。さらに内閣府の政府広報室の予算も約140億円から280億円に倍増しており、全体で300億円近くの増額になるという。従来の内閣広報室の業務は、記者会見の仕切りや総理の海外外遊時の同行取材のセッティングなど「めっちゃ地味」なものであり、これほどの予算を使い切ることは不可能だと語る。

では、この巨大予算は何に使われるのか。下矢氏は「トヨタイムズみたいなことをやってくるんじゃないか」と推測し、政府が既存メディアを通さない独自の大規模なYouTubeチャンネルなどの自前メディアを立ち上げる可能性を指摘する。大企業が自社の情報発信のためにオウンドメディアを持つように、政府も莫大な資金を投じてプロの制作チームを雇い、国民に直接アピールする場を作ろうとしているのだという。

この動きの裏には、既存メディアに対する政府の不満がある。テレビや新聞を通すと、野党の批判的な意見が併記されたり、政府の意図通りに政策が伝わらなかったりする。自前メディアであれば、総理や与党の主張をダイレクトに届けることができる。しかし下矢氏は、これが「税金を使って自民党の宣伝をするのかっていう議論には必ずなる」と強い危機感を募らせる。カナダやイギリスなどの海外では、政府広報を特定政党の宣伝に利用しないための厳格なルールが存在するが、日本には明確な規制がないため、野党がPR戦で圧倒的に不利な状況に追い込まれると警告した。

最後に下矢氏は、総裁選や今後の国政選挙を見据えた上で、特定の政党の宣伝にならないようなルール作りが絶対に必要だと訴えた。メディアの枠組みを超えた政府の新たな情報発信戦略が、日本の民主主義にどのような影響を与えるのか、今後の動向から目が離せない。

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元テレビ局員の視点から、業界の裏話やテレビ出演の秘訣をお届け!普段はなかなか聞けない、メディアを活用したビジネス戦略やPRの裏ワザを正直にお伝えします!! 略歴:PR戦略コンサルタント。テレビ東京に入社し『ワールドビジネスサテライト』『ガイアの夜明け』を製作。その後独立し、中小企業を中心に広報・PRの支援にあたる。