日が暮れて間もない夕方6時ごろ、板橋区内の踏切には遮断機の音が響きわたる――​。その場で一台の軽自動車に乗っていた老人は、これまでの長い人生の中で、一番の危機を迎えていた。今年で85歳になる彼がハンドルを握るのは、「自民党政治を終わりに」との看板が掲げられた日本共産党の宣伝カー。ところが、前方の車が詰まっていた影響で踏切内から抜けられず、車体の後方部分に遮断機のバーが引っかかったのだ。車外に出て