学法石川(福島)にとって33年ぶりとなるセンバツを間近に控えていた今年2月。大栄利哉の視界は真っ暗になっていた。その日は風が強かった。ロードバイクに乗っていた大栄は、体や車体を煽られまいと慎重にペダルを漕いでいたが、気まぐれすぎる突風によって転倒し、左足に激痛が走った。靭帯の損傷および一部断裂、さらに腓骨骨折。診断結果からもわかるように、大ケガだった。「なんで、こんな目に遭わないといけないんだ