かつては2500万人の北朝鮮国民が等しく受け取っていた国からの配給。だが、その多くを依存していた旧共産圏の崩壊により、1980年代から滞りがちとなり、1990年代の半ばになって、ついには完全に行われなくなった。他に生きる術を持たない人々が、次々に餓死していった。これがいわゆる「苦難の行軍」だ。そんな時期にも配給を受け続けていた人たちがいる。代表的なのが、国民を監視し、拷問や公開処刑に象徴される恐怖政治で体制を