男色の是非はどうあれ、男相手でも、女相手でも、色恋沙汰が職場に持ち込まれると、組織はゆがむ。江戸幕府前半は、とくにひどかった。男色は戦国武士の遺習、つまり、戦場に女性を連れ行けないためのやむをえざる習慣が残ったもの、とされることが多いが、史実を追っていくと、むしろ天下泰平の江戸時代になって爆発的に流行した様子が各所に伺える。古参重臣の凋落 戦国時代以前から殿様の身の回りの世話のために稚児小姓が