韓国のサムスン電子が韓国国内の従業員の給与水準を据え置く方針であることについて、中国メディアの中国経済網は「中国の従業員の待遇も以前より劣る」などと報じた。(イメージ写真提供:(C)Andrey Armyagov/123RF.COM)

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 韓国のサムスン電子が韓国国内の従業員の給与水準を据え置く方針であることについて、中国メディアの中国経済網は「中国の従業員の待遇は以前より劣る」などと報じた。

 記事は、サムスンが従業員の給与水準を据え置くのは今回が初めてではないとし、世界金融危機の最中にあった2009年にも一部の従業員を対象とした給与水準の据え置きを実施したことを紹介。その後は給与水準の引き上げが行われてきたと伝える一方、「前回と異なるのは、据え置きの対象が韓国国内のすべての従業員であることだ」と報じた。

 続けて、スマートフォン市場の競争が世界的に激化するなか、サムスンの“高コスト体質”が経営を圧迫していると指摘。今回の給与据え置きはあくまでも韓国国内の話だとしつつも、「中国国内にあるサムスンの工場においても従業員らは辛い日々を過ごしている」とし、中国では工場の従業員の給与が「明らかに減少している」と伝えた。

 記事は、サムスンが中国国内に合弁会社を設立したのは1992年だったとし、その後はサムスングループのうち18社もの企業が中国に投資を行ったと紹介。さらに、中国での事業が拡大するにつれ、サムスンは中国各地に工場を設置したことを伝え、「最盛期にはサムスンは中国国内に100以上の組織を有し、従業員の数は数十万人に達した」と報じた。

 一方、サムスンの業績が下り坂になり、戦略の変更や投資先の変更といった要素によって「サムスンは中国国内の工場を相次いで縮小・閉鎖している」と伝え、すでにエアコンや液晶ディスプレイなどは中国での生産を終了していると紹介した。また、サムスンの中国国内の工場ではサムスン以外の企業を対象とした受託製造業務が増えていると伝えた。

 そのほか記事は、陝西省西安市にあるサムスンの半導体製造工場で働く従業員の話として、「西安市内の平均水準に比べれば、サムスンの給与水準は高いものの、近年は工場の管理が厳格になり、給与も様々な理由で差し引かれる金額が増え、手取り額は以前に比べて減少した」と報じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Andrey Armyagov/123RF.COM)