ギークのためのFirefoxスマホ「Fx0」は転売狙いの肥やしになってしまうのか

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2014年12月23日、祝日のこの日、KDDI社長田中氏はギーク層(卓越した知識がある層というアメリカの俗語)向けスマホとして国内ケータイキャリアとして初のFirefox OS搭載スマホ「Fx0」を発表し、12月25日より順次販売開始された。
防水機能も、ワンセグ放送も、auコンテンツサービスすら「ナイナイ」つくしの本モデル。田中氏は「ギーク層向け、ビジネス度外視」としている。

しかし、それは本当にギーク向けとなりえるのだろうか。

●ギーク向けすぎて苦悩するau取扱店
ギーク層向け、自由に開発できるスマホ、モノ(アプリ)を作り上げる楽しみを体験できるスマホというのは、スマホを複数台持っている、普及期以前よりスマホ所有しているガジェット大好き層には受けるだろう。
しかしながら、店頭販売ではどうだろうか。

auの主要サービスには対応していない、防水もワンセグも無い、iPhoneやAndroidのようにアプリやゲームも、あるわけでもない。したがってFirefox OS搭載スマホ「Fx0」は、ギーク層以外には極めて販売しにくい製品なのだ。

つまり、Firefox OS搭載スマホ「Fx0」を店頭でデザインに惚れた、または安さに惹かれた人がいたとしても、いざ説明をしようとすると、5年前のスマホの初期のような説明と販売をしないといけないのだ。

●2円維持専用モデルになってしまう可能性も
さらに、新規(MNP)契約で24ヶ月間基本料無料はパケット定額プランなどが条件になっていない。
新規やMNPで契約すると、ユニバーサルサービス料のみという格安で維持できる方法が使えるのだが、それでは回線維持用の機種として「Fx0」の契約が使われてしまう可能性もある。

たとえば、
新規やMNPで本体一括0円販売といったプランで販売されたりすると、回線維持ほぼ無料状態になってしまい、ギーク層以外の「維持したいだけ」、MNP用回線を確保したいだけの層にも利用されかねない。

ギーク向け、ビジネス度外視はよいかもしれないが、ITリテラシーを求めすぎるスマホは逆に、既存のスマホやサービスに悪影響を落としてしまいかねないリスクも抱えている。

今後、Firefox OS搭載スマホの未来とauの手腕を問われる「Fx0」の今後に注意は必要だろう。

Fx0|KDDI


布施 繁樹