仕事がデキる人が、スマホやタブレットにはない“キーボード”にこだわるワケ

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最近は、街中でスマホやタブレットで仕事をしている人を見かけることが増えた。資料のチェックやメールの閲覧などにモバイルデバイスは非常に便利だし、いかにも仕事ができそうにも見える。

しかし、外出中に仕事をしている(風な)人が“仕事ができる”人なのだろうか。

スマホやタブレットでの仕事は、スマートだ。しかし実際の仕事はもっと泥くさい。
企画書を作ったり、エクセルでデータを入力したりと、ガッツリ仕事をするには“入力”という作業を避けては通れない。

そうした仕事を支えている「キーボード」は、非常に重要な入力デバイスなのだ。
そんな仕事道具である“キーボード”にこだわる人には、リテラシーが高く、“仕事ができる人”が多くいるように思う。
きっと、読者の仕事場にも、キーボードにこだわる「仕事の達人」がいるのではないだろうか。

こんな前振りをしておいてナンだが、ライターという仕事をさせていただいている筆者にとっても、キーボードは生命線に近く、強いこだわりがある。
ここ10年以上、「東プレ Realforce」シリーズのキーボードを使わせていただいている。最近、少しキータッチが重く感じてきたので、キー押下荷重が45g±15gの変荷重タイプのものから、2万円近くもするALL30gのものに買い替えたほどだ。

ところで、キーボードにこだわる人は、なぜ、そこまでして高額なキーボードを使うのだろう。
そこには、仕事にこだわる人の思いがあるのだ。

●打ちやすい=仕事に集中できる
高額なキーボードを選ぶのは、もちろん、圧倒的に打ちやすいからである。安くても、打ちやすければそれに越したことはないが、実際は、キーボードは価格に比例するケースが多いのだ。
たとえば、本体は重く、ちょっとやそっと乱暴にキータイプしても位置がズレなどせず、びくともしない。キーボードは、“キーを打つ”ことを意識せずに、頭で考えた文字をスムーズに画面に表示できなくてはならない。少しキーを強めに打ったくらいで動いてしまうようでは、打つこと(仕事)に集中できない。打鍵する度に動いてしまうような軽いキーボードでは仕事にならないのだ。

●同じキー配列だと戸惑わない=打ち間違いが減る
フルキーボードは、キーピッチに余裕があり、隣のキーを同時に押してしまうといったミスはおきにくい。特に、同じキーボードを使っていると、キーの配列が同じなので「Ctrl」キーや「Alt」キーなど、ほぼ無意識に使える。
キーボードを使いこなしている人は、ショートカットキーも多用するため、「Ctrl」キーが同じ場所にないと仕事にならないのだ。
最近主流のモバイルノートですら、ファンクションキーや「PrintScreen」キーを使うときに別のキーとの同時押しが必要となるなど、余分な作業が増えるので仕事の効率が下がるというわけだ。

●手や指、そして目も疲れない=長時間の作業も高い精度でこなせる
自分がこだわりをもってセレクトしたキーボードは、ノートPCやPC本体付属のキーボードなどとは比べものにならないほど打ち心地が良いものだ。
たとえば、筆者が以前使っていたモデルは、キーの押下荷重が指によって異なる変荷重タイプだった。現在使っているモデルは打鍵の荷重が一定となるALL30gタイプだ。こうしたこだわりにより、高速な入力を長時間しても疲れが少ないのだ。

●自分が選んだ道具で仕事をする満足感=仕事への責任と意識の向上
「東プレ Realforce」キーボードは、金融機関の業務用にも使われている。入力環境を劇的に改善してくれる逸品であると筆者は思っている。すでに私の手の一部、頭の一部になっていると言っても過言ではないだろう。
少々値段は高いが、仕事の効率アップや健康への影響を考えれば、十分に元が取れ、おつりがくると思っている。
こうした満足感がある道具で仕事と向き合うことで、少なからず仕事への責任感も増し、良い影響を与えていると思われる。

仕事場にいる“仕事ができる人”の中には、仕事を支える道具にも配慮している人がきっといる。大事に仕事をするステップとして、自分用のキーボードを手に入れてみることは、決して悪くない選択だと筆者は思う。


内藤由美