知っているようで知らない人体の不思議。母乳って何で白いの?

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母乳のもとは、お母さんの血液だった!?

母乳は血液が変化してできたもので、母親の食べた栄養分が血液内に入り、それを子どもに与えているのです。ところが、血液は赤いけど、母乳は白い。それは、血液中のたんぱく質などの栄養素や白血球などの成分は含まれているけれど、赤い色をしている赤血球は母乳には含まれない、つまり別のものに変化したためなのです。

■赤血球が含まれないだけではない! 母乳が白いワケ

母乳が作られる乳房は、脂肪と乳腺組織からできています。乳腺組織の一番奥にあるのが乳腺房で、ここが母乳を作る大本です。この乳腺房のまわりには、たくさんの血管が張り巡らされていて、その中を流れる母親の血液を材料にして、母乳が作られます。

乳腺房に、母親の血液から赤ちゃんの発育に必要な成分が入ると、そのまま取り込まれたり、乳腺房の中の乳腺細胞で、新たに大事な成分へと合成され、母乳に分泌されるのです。このとき、アミノ酸という成分が、母乳のたんぱく質の主な成分であるカゼインに合成されます。
そして、カゼインが徐々に増えていくと「カゼインミセル」という小さなかたまりができ、この小さなかたまりに光が当たると、乱反射して白く見えるので母乳の色は白いのです。こうして作られた母乳には、赤ちゃんを病気から守ってくれる免疫成分をはじめ、たんぱく質、脂肪、糖質などの栄養がたっぷり含まれています。

■まとめ

母乳の質はママの食生活にも密接な関係があるので、ママは栄養バランスのとれた食事をとるように心がけましょう。また、規則正しい生活をすることも、母乳の質の向上につながります。

(36歳女性内科医/Doctors Me)

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