日本愛をさく裂させたジョン・ラセター

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 24日、現在開催中の第27回東京国際映画祭の六本木会場「EX THEATER ROPPONGI」で、オープニング作品『ベイマックス』の製作総指揮を務めたディズニー・アニメーション部門のトップであるジョン・ラセターのトークイベントが行われ、車を主人公にしたピクサーの人気作『カーズ』に登場するキャラクター・ルイジを「フィアット500」にしたのは、宮崎駿監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』へのオマージュだったことを明かした。

 同イベントは宮崎監督とも親交が深く、現在はピクサーディズニーディズニートゥーンの三つのスタジオを統括しているラセターが、好きな日本のアニメーションや日本文化について語る「ジョン・ラセターが語るクール・ジャパン」と題して開催。

 子供時代は日本の漫画を読んで育ったことや、アニメーターを目指した当時はアニメが「子供のもの」とされていた中、『ルパン三世 カリオストロの城』を観て「アニメは子供だけのものじゃない、大人も楽しめる」と共感して宮崎監督のファンになった過去のエピソードなどを紹介した。

 特に『ルパン三世 カリオストロの城』はプライベートにも大きな影響を与えたそうで、奥さんと交際前に一緒に鑑賞し、「面白かった」という反応を見て「この人しかない」と決めたというほほ笑ましいエピソードも披露。さらに、ピクサー作品『カーズ』に登場するキャラクター・ルイジと『ルパン三世 カリオストロの城』でルパンが乗っていた車種が同じ「フィアット500」であることにも触れて、「宮崎さんへのオマージュなんです」と明かした。

 ほかにも、「日本が好き」と公言しているラセターだけに、日本を観光中に撮りためた写真や宮崎監督とのツーショット写真なども交えておよそ1時間にわたって日本愛をさく裂させた。トークの最後は「日本の皆さん、ありがとうございました」と日本へ感謝の言葉で締めくくっていた。

 『ベイマックス』は、マーベルコミックスのヒット作「BIG HERO 6」を原基にディズニーが放つアドベンチャー。ラセターいわく「わたしの大好きなサンフランシスコと東京を合わせて作りました」という架空都市サンフランソウキョウを舞台に、並外れた頭脳を持つ少年ヒロが生前に兄が開発したロボットのベイマックスと一緒に彼の死の真相を暴こうとする姿を描く。(中村好伸)

映画『ベイマックス』は12月20日より全国公開
第27回東京国際映画祭は10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に、都内各所にて開催