黒川芽以、テレサ・チー、コウ・ガが『南風』を語った・・・日台合作映画、日本で公開
黒川:自分にとって海外の仕事は初めてでした。大部分が台湾での撮影でしたが、貴重な経験になりました。まず、台湾には親日家がこんなに多いのかと思いました。それから、夜、街を歩いていても安心。そして、台湾人って、マイペースでほがらかな人が多いんです。『南風』の世界どおりでした。
テレサ:日本人は真面目な人が多いと聞いていたので、緊張しました。でも、撮影が始まったら違いましたね。もちろん、仕事に対しては真剣です。でも、例えばカメラがちょっと止まった時なんか、キャストの人もスタッフの人も、ふざけあったりする。とても楽しかったです。
コウ:日本人は確かに、仕事に対して真面目で厳格ですね。この仕事を通じて、多くのことを学びました。
――演技の上で、大変だったことはありましたか?
コウ:そうですね。自転車に乗ってのシーンが多かったでしょう。だから、出演者それぞれの距離なんかで、ずいぶん気を使いました。カメラとの位置関係とかアングルの関係がありますからね。
<黒川から、「それぞれの登場人物の距離が、心理的な距離を表すという面もありますから」との補足説明>
コウ:それから、とにかく暑くて大変でした。夏の撮影だったので……。そうそう、この作品に出演するにあたっては、体づくりも行いました。クランクイン前までトレーニングを続けて、撮影時には、かなりがっしりした体に仕上げました。(撮影から1年が経過した)今でも、そんなには変わっていないと思います。
テレサ:たしかに暑かったですねえ。でも、サイクリングの旅を映す映画で、ロケも移動しながらだったんですよ。ピクニックみたいで楽しかった。自転車での旅を映した、ドキュメンタリーみたいな作品です。
長距離を自転車で走って、体力もつきました。ただ、私が今やっているのは、自転車というよりも走ることですね。撮影終了後、名古屋マラソンにも参加したんですよ。昨日の夜も、5キロメートルほど走りました。
<「えええっ! いつの間に!?」とのけぞる黒川。驚きつつも、冷静な表情はさして崩さないコウ。2人の「性格」の違いが垣間見えて興味深い>
黒川:「乗り物」といえば、前に車椅子でのシーンが主な作品に出演したんですけど、やっぱり乗り物にも魂が移るんですね。そのあたりも、いろいろ考えなければならないんです。大変でもあり、おもしろい点でもあります。
――実は「南風」を見て、最初の部分では、「このストーリー展開はありえないだろう」と、ちょっと批判的に思えた部分があったんです。ところが、藍子が自転車で走り始めた最初の晩、ホテルの部屋で「イタタタタ」なんてやっていたでしょう。あのシーンで、映画の世界が一気にリアルになったように感じました。「まさに“技あり”の演技だ」と感心ました。驚いたと言ってもよいぐらいです。
