ドコモ『dマガジン』で紙の雑誌は読まれなくなるか?紙と電子が共存できる第3の選択

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NTTドコモは、スマホで雑誌が読めるサービス「dマガジン」をスタートした。月額400円で約80誌が、いつでもどこでも読み放題となる。ソフトバンクモバイル、auなど、ドコモ以外のユーザーでも読むことができる。

●月400円でITや経済、ファッションなど 人気の80誌が読める
気になるdマガジンで読める雑誌の種類だが、週刊アスキーやWIREDなどのIT誌、週刊エコノミストやプレジデントなどの経済誌、CanCamやHanakoなどの女性誌といったように、広いジャンルをサポートしている。

いずれも、現在人気の雑誌ばかり。基本的には1冊まるまる読むことができる。これなら紙の雑誌はいらないのでは? と思ってしまうほどだ。また書店に出向かなくても、最新雑誌が読める上、持ち歩きにもかさばらない。さらに自宅での置き場所や保存場所を確保する必要までない。

良いことずくめのようだが、雑誌とスマホでは画面サイズが異なる。大きな誌面の雑誌を小さなスマホで快適に見られるのだろうか?

●スマホで読みやすい数々の工夫
dマガジンには、スマホで読みやすくするための工夫がいくつも用意してある。
たとえば、画面のスクロールだ。いったんタテに移動をしたらタテに、ヨコに移動したらヨコにスクロールが固定される。これで、画面をジグザクに動いて、紙面のどこにいるかわからなくなるとった迷子状態を防げる。

また画面の長押しで現れるスクロールバーを上下に動かせば拡大/縮小。画面をダブルタップすれば、紙の誌面と同じサイズの実寸表示になるなど、片手だけで操作ができる。

さらに便利なのが、各雑誌をまたいで情報をチェックできることだ。
雑誌の記事ジャンルで絞り込みできるので、例えば、今日の占いを見てアンラッキーな内容だった場合、ほかの雑誌の占い記事を横断チェックして、良い占い結果を探すことだってできる。

●紙とスマホ、どっちがいいのか?
こうしたスマホ向けの工夫はあるが、本来、A4サイズなどの誌面用にデザインされている雑誌をスマホの画面で読むことは、やはり読みづらいと感じてしまう。これは仕方がないところ。

もう1つ残念なのが、初めて開く雑誌はデータを読み込み時間がかかるので、すぐに読み始められない点だ。しかし、この問題は、気になる雑誌は、あらかじめ自宅のWi-Fi環境で読み込んでおくことで解決できる。こうしておけば、そのまま電車にのっても移動中に片手でも雑誌を読むことができる。紙の雑誌のように広げる場所を気にしなくてよいので、気になる情報をパッパと読むことができる。

最近ではツタヤが、紙の本や雑誌を購入すると電子版がブックライブで読めるサービスを発表したり、KADOKAWAがTwitterのタイムラインで読める本を発表したりするなど、紙と電子書籍の融合が急に動き出している。

以前のように、紙と電子の書籍、いずれか一方だけが生き残るという乱暴な選択ではなく、両者が共存する方法を、出版社、書店ともに本気で模索し始めたと言っても良いだろう。