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10人の起業家が、専任の人材を招き入れる前に確認した方が良い点についてアドバイスする。

社内にクリエイティブな従業員を抱えることは、概ね会社にとってメリットが多く、面倒を減らしてくれる。でも気を付けよう、両者の要望は変遷していくものだ。これまでずっとフリーランサーと仕事をしてきた人は、特に注意が必要だ。Young Entrepreneur Council(YEC)に加入する起業家達が、専任の人材を雇う前に自問するべき10の役立つ質問をアドバイスしてくれる。

あなたのブランドを理解しているか?

デザイナーはあなたが雇う人間のなかで、最も影響力の大きい1人になるだろう。顧客の目に映るあなたのブランドの印象を決定づけるのはデザイナーだからだ。もし彼らがブランドを理解していなかったとしたら、実に困ったことになる。デザイナーはあなたが何者で、何を目指しているのか、顧客はニーズを満たすために何を期待しているのか、ということをしっかりと認識している必要がある。

ブランドを理解していない、才能あふれる芸術家タイプの人間にお金を浪費してはならない。芸術とブランドデザインは全く別の分野なのだ。

-セス・タラボット(CEO and Startup Advisor)

あなたのニーズに合った人材か?

通常人々は、ユーザー・インターフェース、ユーザー・エクスペリエンス、グラフィックデザイン、ウェブデザインなど複数のカテゴリーに分類されるデザイナーをひとまとめとして扱う。しかし、これらのすべてを上手くこなせる人は極わずかしかいないので、会社の必要性をまず初めにはっきりさせておかなければならない。何のために雇うのか、デザインの役割を通して何を達成しようとしているのか。あなたの要求が適切な期待値を超えるようなものなら、もう少し特化した役割に分割する必要があるかもしれない。

-ルーク・スクーマン(Niche.com)

社風に適応できる人物か?

会社を始めてからの4年間でデザイナーを雇うのは2人目だが、もっと早く今の人物を雇えれば良かったのにと思う。。雇用に関して学んだことが3つある。

まず初めに、他の職種と同様、一番に着目するべきことは社風への適応力だ。そのデザイナーはあなたのチームやミッションを気にかけているだろうか?2つ目はペースだ。デザインショップでもない限り、スピードよりも完成度ばかりにこだわるべきではない。

最後に、顧客やユーザーと直接やり取りできるデザイナーを見つけよう。そのような人材は、ブランドを表現し、ブランドの持つストーリーをちゃんと語ってもらうために必要だ。デザイナーと顧客の間に直接的な関わりを持たせることは、必ずよりよいデザインにつながる。

-アーロン・シュワルツ(Modify Watches)

あなたと考え方が似ているか?

私たちが社内に素晴らしいデザインチームを構築するには、とても長い時間がかかった。技術系の会社として、デザインはコア・コンピテンスであるべきだ。デザイナーはブランドと製品について理解し、それを本当に気にかけていなければならない。また、デザインには「完成」がない。継続的に試され繰り返されるものであり、会社全体で一貫性があるべきである。

-ジョーダン・フリーゲル(CoachUp)

ポストプロダクションに精通しているか?

デザイン後に関わってくるベンダー、つまり印刷会社や広告会社などと仕事をした経験は、デザイナーにとってデザインのヒントと同じくらい価値あるものだ。このようなベンダーと協力や交渉を行った経験が証明されているデザイナーを雇用すれば、時間とお金を節約できる。

-サム・サクストン(Salter Spiral Stair and Mylen Stairs)

デザイナーが必要なのか、チームプレイヤーが必要なのか?

お金がすべての世界で何よりもまず重要なのは、十分な仕事があるかどうかを明確にすることだ。しかし、次の製品インターフェースをデザインする上で潜在的な「仕事」を見つけるのは簡単である。

チームプレイヤーを見つけることができれば、彼らはマーケティングやブランディングにおいても、とても役に立ってくれるだろう。本当のチームプレイヤーは、自分の役割を越えたどんな分野にも喜んで飛び込んでいって助けてくれるものだ。例えば、私たちのデザイナーは複数のチームと協力し、デザインのやり直しや作業計画を手伝ってくれている。それは、チームメンバーがその作業における専門家だからというわけではなく、デザイナーである彼女が役割とメンタルモデルを通して深く考察することができ、その考察を普通の人にもわかりやすいように言い換えることができるからである。

-トレイシー・ウイードミヤー(InContext Solutions)

進行管理ができるか?

自分の経験から言わせてもらえば、世の中には素晴らしい仕事をする才能あるデザイナーがたくさんいるが、彼らは単純極まりないデザインに永遠に時間をかける、と言わざるを得ない。優れた才能を持つデザイナーが必要なのではなく、適切な時間で成果を出せる人が必要なのだ。

デザイナーを雇うときは、希望をはっきりと伝えるべきだ。「一つのロゴをこれだけの時間で完成させてほしい」「一つの電子メールをこれだけの時間で作成してほしい」という具合に。こうすれば開始の段階で完成予測を設定することができる。後は彼らがそれをうまくやるか、或いはやれないかのどちらかだ。

-マレン・ホーガン(Red Branch Media)

提示している仕事を自分で理解しているか?

グラフィックデザイナーを探すときには、自分が提示しているポジションを理解し、そのポジションが将来どうなるかを理解していることがとても重要だ。最高のグラフィックデザイナーの多くは自由な発想を持っており、それが彼らの価値の1つである。故に、同じことを毎日やるのは好まない。それこそが彼らに偉大でクリエイティブな発想をもたらしているのだ。

しかし、あなたが毎日一日中 PowerPoint プレゼンテーションと販売パンフレットの仕事をするデザイナーを雇いたいのなら、3カ月たって飽きてしまうような人は雇わないようにしなければならない。逆に、そのポジションが印刷物、デジタル、ビデオ、ソーシャルメディアを扱う必要があるなら、さまざまな分野で作業をすることを快適と感じ、役割や日々の作業内容が変わることを(ストレスと感じるのではなく)楽しめるデザイナーを雇わなければならない。

-ティム・マクヒュー(Saddleback Educational)

ちゃんとコミュニケーションがとれるか?

社内デザイナーを雇うときがきたら、ブランドを今のデザインにした経緯について思い返す準備をするべきだ。あなたの思いを伝える準備をしよう。効果的なソリューションを生み出すためには、デザイナーはあなたのしたいことや顧客のニーズをあなた自身よりもよく知る必要があるのだ。

社内デザイナーはフリーランサーよりもずっと長くあなたのブランドと関係を持つことになるので、会社の理念や性格を掘り下げる動機をずっとたくさん持っている。面倒がらずにセラピーだと考えて、話をする準備をしよう。

-アレックス・ロートン(Cater2.me)

開発プロセスを理解しているか?

開発プロセスを理解していない、あるいは最低限の基本的な HTML やグリッドデザインを理解していないデザイナーが多すぎる。基本だけでも理解していれば大いに役に立つのに。ただ何かをデザインをするだけでなく、あなたのブランドメッセージを理解し、それに基づいて一緒に仕事をしてくれるデザイナーを雇おう。

そしてデザイナーとチームの間には十分なコミュニケーションが必要だ。全員が同じ認識を持っているかどうか確かめる必要がある。そうすれば予定変更、遅延、予算の問題を避けることができ、心が乱されることもない。

-チャック・レイノルズ(Levers)

Scott Gerber
[原文]