カラコンは危ないって本当?「粗悪品もあるので注意を」

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女性に人気のカラーコンタクト。ファッション・アイテムとして利用者が増えるのと同時に、重大なトラブルも増加している。

医療機器」として承認されていないカラーコンタクトには、色素が漏れ出す、目を傷つけるなど、粗悪な製品も存在する。手入れが不十分だと目にアメーバが寄生し、失明する恐れもあるのだ。

■色落ちするカラーコンタクト?

カラーコンタクトレンズ(以下、カラコン)によるトラブルが急増しているおもな原因は、

1.眼科医の診察を受けずに購入できる

2.厚生労働大臣の承認を受けていない製品がある

3.着色/大きめサイズのため、酸素が通りにくい

だ。

コンタクトレンズは薬事法で定められた「医療機器」なので、初回は眼科医の指導を受けないと購入できない。ところがカラコンは「装飾品」として普及したため、厚生労働省の承認を受けていない製品/販売店が多く存在した。

そこで平成21年にあらためて「医療機器」として扱われるようになったのだが、「急にいわれても困る!」販売店のために2年間の経過措置がとられた。

平成23年からは製造/販売のどちらも承認が必要になっているのだが、通販でも簡単に入手できるのが現状で、承認されていないカラコンも多く出回っているのだ。

カラコンは、視力補正用のコンタクトレンズと比べて目にかかる負担が大きい。これは色と大きさが理由だ。

レンズに含まれた色素のせいで酸素の透過性が悪く、目に十分な酸素が送られない。また、瞳を大きくみせるためにレンズ径が大きい製品も多く、なおさら酸素不足に陥りやすい。疲れ目程度で済めば良いが、重度になると角膜がただれてしまう場合もある。

レンズの色素が漏れ出し、目にダメージを与える粗悪な製品もある。もちろん医療機器として承認されるはずもなく、漏れ出した色素が無害な保証はどこにもない。兆候がみられたらすぐに眼科でみてもらおう。

このほかにもアレルギーが起きた、レンズ面が荒れていて角膜や結膜がすれたなど、さまざまなトラブルが起きている。独立行政法人・国民生活センターの調べによると、2012年7〜9月の3か月だけで395件ものトラブルが起きているので、「今のところ大丈夫!」で終わりにせず、承認のとれたカラコンかを確認すると良いだろう。

■手入れが悪いと失明することも!

もっとも恐ろしいのはアカントアメーバだ。

アカントアメーバが目に感染すると、充血や強い痛み、視力障害を起こす。重度になると潰瘍(かいよう)ができて角膜が白く濁り、失明することもある。土/淡水/海水と、どこにでも生息するアメーバなので、レンズを清潔に保ち、汚れた手で触らないことが肝心だ。

ソフトレンズの場合、交換サイクルは、

・毎日(ワンデー)
・2週間
・1〜6か月
・期限なし(従来型)

があり、期限を超えて使用しない、定期的に消毒するのが鉄則で、これはカラコンに限らず視力補正用コンタクトも同じだ。

だが、日本コンタクトレンズ学会の資料から、重症角膜感染症を起こしたひとの、レンズの交換サイクルをあげると、

・1位 … 2週間(54%)
・2位 … 1〜6か月(17%)
・3位 … 毎日(7%)

と、清潔であるはずの使い捨てタイプに圧倒的に多い。「1日ぐらい洗わなくても」的な油断が重大な感染症につながるので、説明書に従って手入れをしよう。

■まとめ

コンタクトレンズは「医療機器」なので、厚生労働省の承認が必要

・カラコンは装飾品として広まったため、未承認の製品も多い

・酸素不足、色素が漏れ出す、角膜が傷つくなどの粗悪品もある

・レンズの手入れを怠ると、アカントアメーバで失明の可能性も!

すべてのカラコンがトラブルの原因となるわけではないが、目に違和感があるひとは、すぐに眼科医に相談しよう!

(関口 寿/ガリレオワークス)