さらば、iPhone 4:アップルは何百万台も売れた端末をサポート対象から外してしまった

写真拡大 (全2枚)

アップルは、今年の初めにはまだ積極的に売り出していたiPhone 4から静かに手を引いた。

月曜日に行われたWWDCの基調講演で、アップルの幹部達は結局、かつてスティーブ・ジョブズの決まり文句だった「one more thing」を持ち出すことはなかった。しかし実質的には、もう一つのニュースが存在していたのだ。古い端末の持ち主にとっては悪いニュースだったが。

アップルのソフトウェア責任者クレイグ・フェデリギが、この秋にリリースされる新モバイルOS、iOS 8の対応機種を発表した際、その中にiPhone 4が含まれていないことが分かったのだ。

iPhone 4は、iPhoneの現在の外観を決定付けた機種であり、2010年に発売された際には発売開始からわずか3日で170万台を売り上げた。また、価格に敏感な発展途上のマーケットにおいては、最新の機種と平行してさかんに売られていた。

アップル幹部のクレイグ・フェデリギは、WWDCでひっそりとiPhone 4を切り捨てた。

さらば、iPhone 4

フェデリギがWWDCで発表した、iOS 8の対応端末は以下の通りだ。

  • iPhone 4s
  • iPhone 5
  • iPhone 5c
  • iPhone 5s
  • iPod touch 5th generation
  • iPad 2
  • iPad 4
  • iPad Air
  • iPad Mini
  • iPad mini with Retina Display

この対応は特に驚く事でもないだろう。iPhone 4は、現在の最新機種と比較すると3世代前の端末であり、iOS 7の動作においても問題を抱えていたからだ。アップルはiPhone 4におけるパフォーマンスの問題に取り組み、iOS 7.1ではいくつかの調整を行ったが、今回は切り捨てたようである。

iPhone 4sは対応機種に含まれるようだ。この端末もiOS 7では色々と問題を抱えているのだが、未だに販売は続けられている。

アップルはインドのような一部の新興市場でiPhone 4を、安いAndroidスマートフォンへの対抗馬となるローエンド端末として再発売していた。
しかし伝えられたところによると、販売店には明らかにまだ在庫があるにも関わらず、5月に再び販売が中止されたという。

4Sはどうなるのか?

iPhone 4のユーザー達は、現実を直視すべきだ。手元にある端末はもうこれ以上、アップルの新しいソフトウェア開発による恩恵を受ける事ができない。もし主な使い道がメールやWeb閲覧だけなのであれば、特に問題はないだろう。だが人気アプリのヘビーユーザーである場合は、お気に入りのアプリの必要な機能が使えなくなったりするかもしれない。

もしもアップルが発表した新しい機能(自由に変更できるキーボード、改良されたMessages、新しいHealthアプリ、その他)を使いたいのであれば、新しい端末を購入するしかないのだ。

iPhone 4sのユーザーであれば、iOS 8にアップデートするかどうかをじっくり考えた方がいい。アップデートした場合、深刻なパフォーマンスの問題が発生するかもしれないからだ。

考えてみれば、こうした古い端末のサポートを打ち切っていくのはアップルにとって賢いやり方と言えるだろう。アップルは通常、初秋に新しい端末を発表するため、夏の間端末のアップグレードに時間をかけられるからだ。

画像提供:William Hook、アップル

Adriana Lee
[原文]