トヨタ・パナソニック・東芝の業績回復は本物か? 「タカダ式為替感応度分析」で“円安業績”を検証する
先日、ある小売店で、計1,466円の買い物をした。筆者は財布から「千円札+五百円玉+小銭16円」を、若い男性店員に差し出した。
彼は、筆者が差し出した小銭を見て、「16円、多いっす」と突き返してきた。ああ、そうか。釣り銭として五十円玉がほしい、という筆者の意図を理解してくれなかったようだ。
ひところ、分数計算ができない大学生が話題になった。いまでは、足し算引き算にも難渋するようだ。「105円(税込)」から「105円(税抜)」へと値札を付け替えて、消費税率以上の「便乗値上げ」を目論む企業の狡猾さに、ころりと騙されてしまう人たちが増えていくのかもしれない。
東京新聞(2014年4月25日付)によれば、「消費者庁や公正取引委員会によると、便乗値上げの法的な定義はなく、取り締まる法律もない」そうである。
その消費税率が8%になって、自動販売機のコカ・コーラ(350ミリリットル缶)は1本130円になった。試しに「五百円玉+30円」を投入すると、百円玉が4枚、出てくる。ニッポンの自動販売機は賢いな、と感嘆してしまう。
ちなみに、一部の自動販売機では2014年3月から、金色のコカ・コーラが出てくるようだ。子どもの頃から「グリコのおまけ」に目がなかった筆者にとって、こういう「景品もの」にはつい釣られてしまう。
ところで、このコラムを執筆している日の為替相場によると、コカ・コーラを1本買うのに、1ユーロであればお釣りがくる。1ドルでは不足する。コカ・コーラの価格がドルとユーロのレンジ(分布幅)に収まる現在の為替相場が、ニッポン経済にとっては望ましいのかな、などと考えてしまった。
自動販売機で外国通貨は使えない、という茶々は入れないことにする。今回は、コカ・コーラの価格に手が届きそうで届かないドル相場を中心に、昨今の円安が企業業績に与えている影響を検証する。
すなわち、為替感応度分析の話である。