今、ブラジルにいる。W杯で日本戦が行われる街やスタジアム、それからリオ・デ・ジャネイロといった都市を取材中だ。

当地はまだW杯モードに入っていない。サッカーが好きな人なら、ブラジルリーグに夢中になっているし、チャンピオンズリーグの生中継に熱中している。ブラジルにおけるヨーロッパの主要リーグ、あるいはチャンピオンズリーグは、ブラジル人選手たちもたくさん出場しているし、日本で言う野球の大リーグみたいなものかもしれない。とにかくすごく人気があるね。

相変わらず、スタジアムの建設は遅れている。もう詰めの段階に入っているけど、イトゥの日本の合宿地の完成も5月にずれ込んだ。これはまさにブラジルのペースで、それほど心配する必要はない。文化の違いということだね。

ブラジルは日本から飛行機で丸一日、時差も12時間ある。それほど遠いだけに、やはり文化の違いは大きい。日本では治安の問題や、スタジアムやインフラ建設の遅れに対するのんびりとした雰囲気が信じられないというような言われ方もするけど、自分の国のスタンダードがよその国にも当てはまると思ったら大間違いだよ。それは人種差別にも通じることだ。

地球にはいろいろな人が住んでいて、いろいろな国がある。準備が早い国もあれば遅い国もある。のんびりしている人もいれば、チャキチャキしている人もいる。様々な国の人々に触れ、文化の多様性を知り、受け入れること。当地に順応して、自分の知見を広げること。それもW杯の楽しみの一つじゃないかな。だからサッカーは素晴らしいんだ。

日本のみんなに早くブラジルの文化を知ってほしい。こっちに来てその思いがより強くなっているよ。