ナポリを見れば泣くことになる。ミランFWマリオ・バロテッリは常にそうだった。サン・パオロで４回プレーしたバロテッリは、インテルで２回、マンチェスター・シティで１回、そして８日のセリエＡ第23節と、すべて敗北を喫した。サン・シーロでも、前回の対戦で、プロになって初めてPKをセーブされている。

それでも、普段はあくまで「泣いた」という表現だった。だが今回、バロテッリは本当に涙を流し、その様子は世界に放送されたのだ。マリオのプレーは悪く、クラレンス・セードルフ監督は１−２でリードされていた残り15分、FWジャンパオロ・パッツィーニと交代させた。そしてベンチに呼び戻されてから、バロテッリは泣いたのである。

怒りからではない。ただ、彼はあまりに落胆したのだ。そして何より、大変なストレスを感じたのだ。ミランに貢献できなかったという悔しさから、マリオ・バロテッリが泣くなどあるだろうか？　それとも、セードルフ監督が就任してから初の交代となったからだろうか？　そうではないだろう。

セードルフ監督は試合後、「彼は特別な時期を過ごしている。私も経験した。選手が泣くのは初めてではない」とコメントしている。

マリオにとって、今週は普通の一週間ではなかった。２日前に、彼はツイッターでピアちゃんの父親が自分だと明らかにしている。2012年12月５日に生まれた、ナポリ出身のラッファエッラ・フィーコさんとの間にできた娘だ。

マリオはおそらく、娘にゴールをささげたかったのだろう。ピアちゃんが生まれ、そして今生活しているナポリという街で。だが、それを実現できなかった。そして涙があふれたのだ。

バロテッリの涙とミランの明らかな敗北により、MFアデル・ターラブの好パフォーマンスは二の次となってしまった。デビュー戦だったが、ターラブはすぐにゴールを記録している。結果的には無駄になってしまったが、とても美しい先制点だった。

ナポリMFギョクハン・インレルのイエローカードも誘発し、何度か左サイドから中央にスピーディーに切り込みつつ好プレーを見せている。カカーとリッカルド・モントリーヴォがベンチスタートで、本田圭佑が不在のミランは、マイケル・エッシェンとナイジェル・デ・ヨングが中盤センターに入る初めての形で戦った。

ターラブにとってすぐに溶け込むのは簡単ではなかっただろう。だが、彼はそれをやった。すでにミランにふさわしい選手かのようだった。「ようだった」と強調しておく必要はある。才能は明らかだが、コンスタントでないことも知られているからだ。