中国新聞社など中国メディアは5日までに、外電を引用してオーストラリアで中国人男性がスパイの容疑で取り調べを受けていると報じた。同博士は勤務先だったオーストラリアの連邦科学産業研究機構(CSIRO)で、コンピューターを不正使用していたという。

 同男性は博士課程後期の学生。最近までCSIROで働いていた。勤務期間中に、権限がないCSIROのナノテクノロジー研究室のコンピューターを使用したとされる。CSIROはオーストラリアの国防科学技術機構とも深いつながりがある。

 オーストラリア当局は「敏感な技術が外国に持ち出されたのかどうか」を中心に調べを進めている。

 同国情報機関の責任者は最近になり、産業スパイの危険が高まったとして警告していた。CSIRO関係者も、コンピューターの不正使用について、意識を高めたという。

 5日からインドネシアと中国を訪問する予定のオーストラリアのジュリー・ビショップ外相は11月26日、中国が東シナ海防空識別圏を設定したことに反対の立場を表明。中国政府がビショップ外相の発言に「強烈な不満」を表明すると、同外相は28日改めて、「緊張を高める一方的な行為には、いかなる国に対しても反対する」と強く批判した。

 オーストラリアでは、防空識別圏の問題と「中国人スパイ疑惑」は、豪中関係のあり方を判断する材料になるとの見方が出ている。(編集担当:如月隼人)