どの道で行きますか?

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以前、コネタで「運転中にケンカしやすい理由」記事を書いたが、さらに不思議なのは、それが男女間で特に多いこと。女同士のドライブでは和気藹々と進むのに、夫婦やカップルの場合、近所レベルのわずかな移動時間にも、ケンカが勃発することがある。
これってなぜなのだろうか。

車中における夫婦やカップルのケンカでは、特に男のほうが「近道」にやけにこだわり、「さっきの角を曲がったほうが早かったのに!」「あっちの道なら、信号にひっかからなかったはず」などと女性に対して怒る、文句を言うパターンが多い気がする。

特に急いでいるわけでもないときに、男はなぜそこまで「道の選び方」にこだわってイライラするのか。「ゆうメンタルクリニック」総院長の、ゆうきゆう先生に聞いた。
「男性の方が女性に比べて『合理性』を重視する傾向にあります。早く着くように・短距離で・信号にかからないように・安全な道をなど、何を優先するかは人によって違ってきますが、最適なルートが頭の中にあるんですよね」

ただし、ややこしいのは、自分なりの最適なルートを、奥さんや彼女にも求めてしまうことだ。
「運転するパートナーにも自分が考える最適な方法を求める一番の理由は、『自分のやり方が正しい』というこだわりと、もう一つ、『暇』なんだと思います(苦笑)」

相手のやり方に口を出す場合、たいていの人は自分のほうが正しい・自分のほうが頭がいいと思っているものだそう。
と同時に「相手に口を出すほど関心を向けている=自分はやることがあまりない」ということが多いそうだ。
「男性の場合は、助手席で話しかけたり、景色を楽しんだりするよりも、『無事につけるのだろうか?』という不安を持ち、自分がハンドルを握れないことで、主導権を奪われたような気がすることも多いのです」

また、男性に限った話ではなく、相手のドライブテクニックに不安があると、あれこれと相手のやり方に口を出しやすくなる傾向もあると言う。
「これは支配欲や不安感が強い人に見られる傾向で、『自分のやり方通りでなければ不安』なのです」

口出しされたり、否定されたりすると、言われた側はカチンとなるものだが、実はそれは相手の不安のあらわれという場合もある。
それを考慮して、安心感を与え、車内の空気づくりに気を配ってみると、ケンカはなくなるのかも?
(田幸和歌子)

ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院)。(池袋院)。(新宿院)。(渋谷院)。静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。