ゼブラ株式会社「リプトン×サラサクリップ」1本各157円(税込)
軸にはリプトンの紙パックのデザインがプリントされ、キュートでカラフル。

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私は職業柄、ペンフェチで新しいペンが出ると試してみたくなる。それに、匂い、いや香りフェチでもある。そんな私の欲望を満たしてくれる、大人が癒される香りペンを2つ紹介したい。

〜ペンが紅茶に恋をした!〜

まずは、ゼブラ株式会社が、紅茶のリプトンとタッグをくんだペン「リプトン×サラサクリップ」だ。私はリプトンの紙パックアイスティーをよく飲むが、その香りを再現した香料をインクに配合したボールペンで、アップルティーやレモンティー、マスカットティーなど全10種類のラインアップ。

同社広報室の池田さんによると、従来「サラサクリップ」の購入者層は、老若男女と幅広い。数量限定商品は発売後3〜4カ月は販売するが、同商品は9月発売にして約1カ月で店舗によっては売り切れの色・セットがあると好調。ちなみに、「サラサクリップ」はコネタ同様10周年を迎えた!

この「リプトン×サラサクリップ」は、見た目の可愛さと香りが売りということもあり、当初は女子高生の利用者を見込んでいたが、ふたを開けてみると大人の女性だけでなく男性の支持も集めているという。「『リプトン』を愛飲されているのが男女性別問わず広い層であることに加え、普段の生活の中で香りを楽しむ習慣が女性だけでなく、男性にも広がっているのかもしれません」(池田さん)

さて、実際に使用して香りを嗅いでみた。字を書くとまるで紅茶を飲んでいるような香りがふわりと舞う。「おっ、リプトンの香りだ! 」と興奮するも、香りはさりげなくそこにあり、しつこすぎることはない。仕事中にイラっとしたらペンを出し、何か書いて香りに癒されるもよし。じっくり香りを楽しみたい人は、仕事中に顔を紙に近づけ匂いを嗅いでいると周囲がざわつく……かもしれないので、こっそり確認することをお勧めしたい。

ペンの香料は計100種以上を試作し、実物のリプトン紅茶に最も近くなるよう試行錯誤を重ねた。リプトン社のお墨付きをもらったというだけあって、実際に利用者からは「リアルな紅茶の香りがする」「どの香りも好きなので選ぶのに時間がかかる」という声が届く。

「書きやすいだけでなく、香るペンを『癒し』目的とされていること。特に大人の方は忙しい生活の中で、気軽に得られる癒しを求められているのかもしれません」(池田さん)

〜大人を演出、アロマ香るペン〜

セーラー万年筆株式会社がタッグを組んだのは、香りの空間プロデュースを手掛けているアットアロマ株式会社。熱を使わないでアロマの香りが楽しめるアロマペンディフューザー「リロマ」を販売する。

アロマグッズといえば自宅で楽しむのが主流だが、職場やどこにいても熱源を必要としないアロマとペンのコラボレーションは画期的。使い方はペンの上部を外し、オイルパッドにアロマオイルを2〜3滴染み込ませるだけと簡単だ。香り孔(あな)からふわりと香りが漂う。また、市販のアロマオイルなど好きな香りを利用することもできる。

「リロマは自分の好みの香りを、どこででも楽しめるという商品です。身の周りやデスク周りで他人に迷惑を掛けないパーソナル空間における芳香効果を狙っています」と話すのは同社・文具事業部企画部の馬渕さん。「香りの好みは十人十色です。自分にとっては癒しのサプリメントとしてリラックスできるものでも、ある人にとっては不快にならないように」と、およそ1m以内の範囲でほのかに香りが漂うレベルの調整に尽力したというのも、大人のペンの証。

ボディには左右計8個の香り孔が設けられている。馬渕さんは「孔の数、位置、大きさなど微妙な調整を必要としました。また、天然のアロマオイルを使用するため、耐久性や堅牢性を必要とする素材選定がネックでした」というが、試行錯誤の甲斐あって男女問わず人気の商品となっている。

同社の調査によると、購入者の比率は男性4割女性6割。男性もプレゼントに利用するだけでなく、会社やプライベートで利用する人が約3割いるという。仕事中、香りに癒されすっきりしたいという思いは男女問わず同じなのだろう。

「かつてアロマ市場と言えば女性の購入者が大半でしたが、若い世代を中心に香りに対する感覚が変わり、香りは『見えないおしゃれ』や『身だしなみ』という意識が男性の間でも高まってきたようです」
    

今日、紹介した「リプトン×サラサクリップ」「リロマ」は、ペン本来の書き味の良さに加え、香りも楽しめる。仕事中に疲れがたまったり不安が多いと呼吸は浅くなってしまうが、数回でも意識して香りを嗅ごうとすれば自然に呼吸は深くなる。ふぅ〜っと息を吐き出すことが気分転換にもなる。香りの効果をあなどることなかれ。リラックス、コミュニケーションツールとしてはもちろん、仕事で行き詰ったときに何かヒントを与えてくれるかもしれない!?
(山下敦子)