三者三様のキャラクターがあらわとなったトークセッション。左から真栄里氏、吉田氏、菅氏

写真拡大 (全3枚)

それにしても、月日の流れが速すぎる。手垢にまみれた台詞だけど、言わせてください。もう、秋かよ! ということは、もうすぐ冬が来る。お酒のシーズンだ。

そこで、こんなセミナーに出席してきました。味の素主催による、その名も「アラニン・グルタミン混合物セミナー」。
……というか皆さん、「アラニン・グルタミン混合物」って御存知ですかね? これは、飲酒後のアルコール分解を促進し、悪酔いや二日酔いなどのトラブル回避に役立つアミノ酸素材。味の素では「20世紀はビタミンの世紀、21世紀はアミノ酸の世紀」という心意気で、日々、飲酒対策素材の開発に臨んでいるとのこと。

なぜ、そのようなものが開発されるのか。我々、お酒を飲んだ直後や翌日に参っていることが多いですよね。結果、体調不良、睡眠不足、電車の乗り遅れ等を引き起こしてしまいます。
そこで考えられる対策法は、4つ。(1)飲み過ぎない (2)食事をしながら飲む (3)水などを飲む (4)飲酒対策素材の摂取
やはり飲酒対策素材に注目は集まっているらしく、「飲酒対策素材の効果を感じていますか?」という質問へのYES回答は71.5%(「とても効果感あり」15.7%、「やや効果感あり」55.8%)にも上っている。特に「アラニン・グルタミン混合物」のリピート率、現在では32.7%にまで上昇しているそう。そして86%もの人が、その効果を実感している模様。
ちなみに「アラニン」にはアルコールの分解を促進する効果があり、「グルタミン」は免疫力強化作用と消化管粘膜保護作用を持っている。健康成人にお酒を飲ませ、その前後で血中アミノ酸濃度を測定すると、最も大幅に減るのは「アラニン」です。要するに、これが重要な働きをしている。
この効果は、動物実験でも実証済み。粉末のアルコールを混ぜた“アルコールごはん“をネズミに食べさせると、40日後には脱毛や体重減少、行動抑制といった異常が出てきてしまう。しかし同時に「アラミン」「グルタミン」を摂れば、200日経っても元気なままで、アルコール症状を回避。また血中アルコール濃度も「アラミン」「グルタミン」を摂ったネズミの方が、明らかに低いという結果が出ている。
これは、ヒトによる実験でも同様。「アラニン・グルタミン混合物」、「砂糖」、「ウコン加工食品」を摂ってもらい、飲酒後の呼期中アルコール濃度を調べると、「アラニン・グルタミン混合物」を摂ったヒトのアルコール濃度は一際速いスピードで低下していた。

兎にも角にも、お酒は快適に楽しんでもらいたいものです。そこで、この御三方に登場してもらい、その姿勢を学びたい。セミナーの後半は、酒場詩人でありイラストレーターの吉田類氏、「味香り戦略研究所」の菅慎太郎氏、久里浜医療センター・医師の真栄里仁氏によるトークセッションであります! ちなみに吉田氏、このセミナー前に既にお酒を一升空けてきているらしく。期待を外しません。

――最近は、いわゆる“家飲み”はともかく“外飲み”する人が減っているという状況があるそうです。マーケティングとしては、由々しき事態だと思うんですけど。
菅 コミュニケーションとしては“上下”から“横のつながり”になってきましたので、どうしても外で飲む機会というのは減ってきてしまうのかなと。まぁ“横のつながり”は楽しいんですけど、“上下”のつながりは人の豊かさが育ちますので、できれば外で飲んでいただければなと思います。
吉田 今、お酒のイベントを開催すると、参加者の7〜8割が女性で、あっという間に集まるんです。だから僕、そんなに悲観はしてないですね。
真栄里 ただ若い方はお酒に慣れていない場合が多いですから、十分注意していただきたいなと思います。特に、先輩からの“一気飲み”の強制ですね。それが非常に大きな事件に繋がっていますので。
菅 お酒を食べ物との組み合わせで考えると、自然と摂取量は減るんですね。だから「酒を飲もう」ではなく「どういう食べ物と合わせよう」と考えると、自然と自分のペースが掴めていくと思います。
――また、菅さんは「上手く飲めると出世する」と提唱されていらっしゃいますが。
菅 そうですね。“上下”で上手な飲み方ができるっていうことは、上司のマネジメントができるということですから。
吉田 人と人との心の壁をとるという意味では、お酒によるコミュニケーションがナンバー1でしょうな。
菅 面白いことに酒文化のある地域は、飲み過ぎを自制するんですね。以前、鹿児島の方と飲んだ時、焼酎のことを「水」と呼んでいたんです。彼は「鹿児島ではたくさん焼酎を飲むので、薄めにしている。東京の水割りは、すごく濃く感じる」と言っていました。
吉田 そうそう。あと焼酎をぬる燗にしますんで、体にもいいです。鹿児島の人は、昔、一番長生きでしたからね。あれは焼酎のぬる燗のせいかなと、僕は思ってるんですが。
真栄里 沖縄の方ですと、泡盛って強いお酒のイメージがあるかもしれませんけど、地元の人は結構薄めにして飲んでるんですよ。意外と皆さん、気を使いながら飲んでいるということは、お伝えしたいです。また多少のお酒だったら、それほど健康に害を及ぼさない、むしろ寿命を伸ばす可能性があります。「善玉コレステロールを増やす」「血液をサラサラにする」という2つの相乗効果で、心筋梗塞などの心臓病を減らすと言われています。
吉田 いい事だらけですね(笑)。
真栄里 飲み過ぎると健康に良くないというのも、研究で言われてますので(笑)。
――ちなみに皆さん、「適量」ってどの位だと思いますか?
菅 家まで帰れる程度ですね(笑)。
真栄里 医学的に言いますと、だいたいビール500mlです。皆さんが考えているより少なめですよね。ただし女性や顔が赤くなりやすい人、すなわち生まれつきお酒が弱い人は500mlより少ない量が好ましいと言われています。諸外国のガイドラインを見ると、女性の飲酒の適量は、男性の2/3くらいと言われています。
――どうしてですか?
真栄里 女性の体は、とってもお酒に弱いんですね。例えばアルコールによって引き起こされる肝硬変の患者さんの平均年齢を比べますと、女性は男性より10歳若いと言われています。色んな理由が考えられますが、少なくとも女性の体はアルコールに弱いです。
――ではここで、皆さんに“モテる飲み方”を伺いたいのですが。
菅 僕は学生時代、合コンの幹事を務めることが多かったんですけど、ダメな人はどうしても高いアルコールを勧めようとするんですね。で、結局その人が潰れちゃう。スマートにキメてくる人は、食べ物に合うお酒を持ってくる。メニューがお肉に変わったので、それに合うお酒をスッと提案する。そういう人は、成約率が高いですね。
真栄里 一杯のお酒しか飲まなくても、その一杯を味わい尽くして幸せになってるような人を見ると羨ましいなと思います。
――女性の側から言わせてもらうと、説教が始まっちゃったり、泣いちゃったりが……。
吉田 それ、ダメですね! で、自慢話なんかが始まったら、鬱陶しいですよ!
――もしそのような人がいたら、どのように諫めます?
吉田 いや、すぐ帰ります(笑)! 居なきゃいけない理由は無いわけですから。トラブルを起こさないようにするには、イヤな時は居ない。楽しい人達と居て、自分が楽しくなるように徹すれば、いいお酒が飲めます。
――では最後に、“モテる飲み方”を一言でまとめていただきましょう!
菅 賢く、悪酔いしないということですね。
真栄里 健康的で、長く付き合えるような飲み方をしていただければと思います。
吉田 何も考えずに、飲みたいだけ飲めば(笑)。

吉田先生、さすがです。
(寺西ジャジューカ)