ヌードルアートはラクじゃない！？祐天寺ヨリエさんの、朝からヌードル生活
●いきなり難関！やってみたら難しかった！
――ローラのヌードルアート、よくできてますね！
「京都伊藤久右衛門茶そばに、オリーブオイル、オイスターソース、醤油、味噌、すりごまをまぜたもの、レモン、グリーンオリーブ、ブラックオリーブを使って作りました」
――ちゃんと、レモンの上には「OK」の文字が！（笑）
「でも、最初に作った時は失敗したんで、作り直したんです。目のあたりが難しくて…」
祐天寺さんがヌードルアートを始めたきっかけは、食べ物で似顔絵を作っていた海外の作品に魅了され、それをモチーフにして、芸能人の顔作りに挑戦することにしたという。
――初めて挑戦したヌードルアートは？
「“なでしこジャパン”の澤穂希選手です」
昨年の秋のこと。ヌードルアートを始めようと思い、早速、麺と線を“描く”ために必要な調味料等を準備した祐天寺さん。
これで楽しくアートができるぞ〜と意気揚々。
しかし！
しかしである。
頭の中では完成予想図はできているものの、やってみると予想以上に難しかったというのだ。
「線の部分はケチャップで描いてみたけど、水分が出てしまってうまく描けなかったんです。これは困ったと思い、色々と考えた結果、味噌とみりんと砂糖を混ぜて、理想の粘り気を出しました」
このように書くと、祐天寺さんは食べ物で遊んでると思われそうだが、本人はいたって大真面目だ。
「食べられることをコンセプトにしてるんで、後で麺と調味料を混ぜて食べられるようにしてあります」
――すっごく時間がかかるように見えるんですけど…
「作品にもよりますが、構想から完成まで3時間かかります。できれば、朝か昼の光を使って完成した作品の写真を撮りたいので、朝早く起きて作ることが多いのですが、なかなか成功しないので、完成した頃にはグッタリしてます（笑）」
●超難関！大久保佳代子さんのヌードルアート
――どんな手順で作っていくんですか？
「まずは、キャラクターの特徴が現れている画像を探します。その画像をモチーフにしながら紙に線を描き、全体像が浮かんできたところで皿に調味料で線を描きます。『これならいける！』と思った瞬間に、お湯を沸かしに行きます」
――ついに麺の出番が！成功する確率ってどのくらいですか？
「5割です」
5割！？
思ったより低いではないか！
祐天寺さんによると、5割方「いける」と思った時に仕上げにかかるとうまくいくことが多いが、4割ほどの自信で踏み切ると、失敗する確率が高いそうだ。そこの見極めが大事なのである。
そう、ヌードルアートはデリケートなのだ！
「単純そうで、実はめんどくさいです」
――「“めんどくさい”って、自分で言っちゃいましたね！（笑）」
「調味料の線がうまく描けないといけないし、似顔絵は似てないといけないし、麺は早く形を整えないと乾いてしまうし」
麺にも気を使うが、特に大変なのは歯の線を描くことだそうだ。
「線といっても調味料で描くので、ササっと描ける感じじゃないんです。歯は少しでも線を間違えると顔全体のイメージが変わってしまうから、何度もやり直しますね」
――匠の技ですねぇ〜。
「大変だけど、全体の線がうまく描けて、麺の部分もうまく出来た時は、感動するんですよ〜」
――どういう人の顔が難しかったですか？
「剛力彩芽さんの場合（PCの方は関連写真参照）は、目がつりあがりすぎて何度も描き直しましたし、大久保佳代子さんの場合（写真参照）は、何度描いてもおばあちゃんみたいになってしまって…」
――なるほど…（←笑いをこらえる）
「あと、栗原類さんの場合は、暗い雰囲気を出したくて、イカスミパスタで作ったけど、何かが足りないと思って、本物のイカを足してみたんです。よ〜く見ると、髪の毛のあたりにクネクネしたものが付いてるんですけど、あれはイカでして。でも、思ったよりもイカが目立たなくて、本物のイカを使った意味がありませんでした（笑）」
まさか、イカも海を泳いでいる時は、自分が栗原類さんのヌードルアートに使われるとは思ってもみなかったであろう。ちなみに、味は美味しいそうだ。
――作りやすい顔ってありますか？
「目がパッチリした人や、顔に特徴がある人は描きやすいですね。痩せている人よりは、ちょっと太ってる人とか」
ここまで読んだ方の脳内には、あるクエスチョンマークが飛び交い始めた方もいらっしゃるのではないだろうか？まさに、そういう方々が疑問に抱きそうな質問を、投げかけてみた。
――ご主人はなんとおっしゃってますか？
「特に反応はなくて…」
――ひょえ〜〜〜！
「普段から映像などのコンテンツを作る仕事をしていて、色々なものを見ているので、ある意味、“慣れてる”んだと思います。私が早朝から麺を茹でてても、『またやってるな』ぐらいの反応なので（笑）」
●実は、リアル「だめんずウォーカー」だった！
そんな祐天寺さんはどんな人かというと、ナンシー関さんに憧れていたという。それも筋金入りのファンで、ナンシーさんの本は全て読んだほか、ナンシーさんの葬式（スタンプ葬）に足を運んだほどだという。出身もナンシーさんと同じ青森市だ。
「ナンシーさんは、青森から上京して、面白いことを東京で実現されていて、本当に尊敬しています」
祐天寺さんはというと、大学卒業後、青森の『中三』（←青森では超有名な老舗百貨店です）でバイヤー等を務めた後、上京。『楽天』で広報を担当した後、フリーに転身。
――同業者として、面白そうなにおいをプンプン感じるのですが、今後やってみたいことは何ですか？
「もっと連載をもちたいですね。綺麗事よりも、女性の本音が見え隠れするような女性目線のエッセイを書きたいです。ちなみに、昔『だめんずウォーカー』に3号連続で出たこともあって…」
聞いたか同士。
「面白そうな予感」が的中したではないか。
「自分に関する恋愛がらみのネタが山ほどあって、当時はそれを日記に書いてたんです。そしたら、知り合いから『だめんずウォーカー』に推薦されまして、新宿ゴールデン街でくらたまさんから取材を受けました。しかも、ネタが多いからってことで3号連続で掲載されることになって（笑）」
「祐天寺ヨリエ」という名前は、祐天寺に住んでいたことから、その時に倉田真由美先生につけていただいたもの。数年前までは「ダメな男ホイホイ」といわんばかりに、だめんずがわらわらと寄ってきて苦難の日々だったそうだ。それが今では、だめんずではなく、食べるほうの「めん」に関わっているというから、人生はどうなるか分からないものである。（取材・文／やきそばかおる）
●祐天寺ヨリエさんのサイト
http://www.yutenjiyorie.com/
ヌードルアートは「ウレぴあ総研」のサイトとご自身のサイトで公開。密かに、似顔絵以外のヌードルアートも企画中。
失敗した場合の麺も全て食べているそうだ。
