「汗臭さ」にまつわるさまざまな誤解
ところで、通産省が1998年に実施したアンケート調査によると、「自分の口臭・体臭を気にしている」と答えた人は42％にものぼり、これは「太りすぎないよう食事には気を使う」と答えた38％よりも多いのだとか。最近のオフィスや住環境は抗菌＆防臭がスタンダードとなっているので、匂いを意識することが少なくなり、結果的にいちばん臭いのは生きている人間だった……みたいなことになっているのかもしれませんね！？ところで、汗がどうして匂うのかそのメカニズムって知ってました？
（１）体表面体臭……汗腺と皮脂腺、細菌によって皮膚上で発生するニオイ。ワキガも含む。
（2）体内体臭……体内で発生し、汗や口臭として表に出るニオイ。
（3）腸内体臭……腸内で発生したガスが、汗や口臭として出る体臭。便臭や腐敗臭が代表的。
の3つに分けられ、自分のニオイの発生源を正しく見極めることが大切という。この時期、気になるのは（1）の汗によるニオイだが、「汗臭さ」というのは本来、無臭である汗が皮膚上にある皮脂＆細菌と混ざり合うことによって発生するもの、ということらしい。読み進むにつれ、私が今まで信じていた「汗にまつわる常識」が間違っていたことが明らかになり、衝撃を受けた次第……。たとえば、
・乾いた布で汗をふきとっていると、ニオイは余計に強くなる。
→とれるのは水分のみで、ニオイ成分はそのまま残るため。濡らしたハンカチや、銀イオン入りのウェットティッシュなどで拭くのがおすすめ。
・ボディソープより昔ながらの固形石鹸で洗うほうがよい。
→ボディソープは肌への刺激が強すぎるため。さらに、ゴシゴシ洗いすぎるのはかえって体臭が強くなる原因になることも……。
などなど。夏に向け、外回りの多い営業マンなどには、見逃せない豆知識ではないだろうか。
アース・スター・エンターテイメントの担当者さんに企画のきっかけなど伺ってみたところ、
「体臭というのは不思議なことに、発信源である本人が全く気付いていないということが多々あります。とはいえ、ストレートに『臭い！』というわけにもいかず……。会社の同僚や上司であれば尚更躊躇してしまいます。結局、受け手側が席を外す、口、鼻をふさぐ、息を止めるetc……。我慢することになります。
そこで、社会人のマナーとして、自分のニオイを知り、そのニオイが相手を不快にする種のものであるならニオイの素を原因から断つ！方法を正しく解説したものを作りたいと考えました」
そういえばこの時期、ネットの質問サイトなどでも同僚が発するニオイで気分が悪くなったり、出社するのが憂鬱……という深刻な相談をよく見かける。発売後の反響はどんな感じだったのでしょうか？
「超ストレートなタイトルで、内容もどちらかというと男性向けなものになっているので男性からの反響が多いと考えていました。が、実際は女性層からの反響が高く弊社としても大変驚いております。ちなみに、本作品の企画プロデューサー（男性）は疲れた時、雨に濡れた犬のようなニオイがします。これは、社内全員周知のことです（笑）」
とのことで、雨に濡れた犬のようなニオイ……（！？）とは想像をかきたてられる。本書ではこのような、緊張したり、疲れてストレスがたまったときに体臭が強くなる「ストレス臭」にも言及している。
ほか、単に「汗臭い」のと「ワキガ」はどう違うのかという詳細な説明や、体臭予防に効果的な食材なども紹介されておりいたれりつくせり。本書でひと通り知識と対処法を身につけておけば、心おきなく（！？）汗だらだらな夏を迎えられそうです。
（まめこ）
