万年筆、100年使ってみませんか
いろいろな物がデジタルになった今、それでも人を引きつける万年筆の魅力とはいったい何なのか、探ってみた。
万年筆とボールペンの違いは何か。それは書き味のよさ。自分好みのインクを使えること。さらにきちんと手入れすればずっと使える、それが万年筆。
そんな万年筆といえば、セーラー万年筆さんが有名。
こちらのコピーは“100年品質”、その名前には偽りなしなのが万年筆の魅力なのである。
それはセーラー・ペンクリニック。
使わずにタンスの肥やしになっている、書けなくなった、大事に使っていたのに壊れてしまった、そんな万年筆をペン職人が診てくれるイベントだ。
いうなれば万年筆のお医者さんなわけだが、どんな依頼が多いのか伺ってみると、
「インク詰まり、筆記の際にザラつく、ペン先を細くしてほしい（中字を細字にしてほしい）です」
その他、部品交換が必要な場合も、実費で預かり修理してくれる上、
「万年筆は国産、舶来メーカー問わず。セーラー以外のメーカーでも、できる限りペン先調整等をさせていただいています」
と、なかなかの太っ腹。
ただしモンブランについては、輸入元の依頼もあり取り扱い不可なのでご注意を。
さらにペン先を使う人に合わせて研ぐ、イージーオーダー万年筆の注文も可能なので、自分だけの万年筆を作ることもできるそうだ。
それに万年筆といえばこだわりたいのがインク。
万年筆の魅力を引き出すインクをインクブレンダーがブレンドしてくれる、インク工房も実施中。完成したオリジナルインクはリピートで購入することも可能だとか。
開催のペースは、ペンクリニックが月に１回、インク工房が月に２回。全国各地で実施しているそうなので、家に眠る万年筆がある人は行ってみてはいかがだろうか。
もちろん自分でも手入れをすれば、もっと万年筆は書きやすくなる。手間をかければかけるほど手に馴染む、馴染むからこそ書くことが楽しくなる。
セーラーさんに人気の万年筆を伺ってみると、
「ペン先が21金になっている万年筆は弊社にしかありません。そんな21金のペン先が付いたプロフィット21（定価2万1000円）が、一番人気があります」
さらに、「ペンクリニックを行っている長原が一本ずつ手作りした『長刀研ぎ』のペン先が付いたモデルも人気です」
しかしこれは非常に人気、なんと4ヶ月以上の待ちなのだとか。
「万年筆はライフタイムペンと言われています。大切にお使いいただきインクさえ補充すれば、一般のお客さまでも一生お使いいただくことができます」
お祝いで貰った人はもちろん、かつて貰ったままになっている人もこの春から手書きを楽しんでみませんか。
（のなかなおみ）
