払える人が払えばいい？シカゴにオープンしたノンプロフィット・カフェ
寄付が基本になっている「パネラ・ケア」は、誰でもどんな人でも（お金がなくとも）街角にあるパネラブレッドと同様のメニューを食すことができる。もちろんwifiも無料。メニューには値段設定がなく払えるだけで良い。または食事分をカフェでボランティア１時間、というのもありだ。
レジが配置されているが（両替やクレジットカード用）実際の会計は寄付ボックスへ入れるようになっている。どれだけ入れようと、誰も何も言わないし気を遣うこともない。
目安となるようなサジェスト料金はあるものの、払える人が払えばいい！。来店者が普通のパネラ・ブレッドの値段を知ることによって、 払える人はサジェスト料金より多めに払い、払えない人の分を補うというシステムのようだ。
寄付ボックスの近くにいたのだが、ほとんどの客は目安料金以上の額を入れていた。学生が多い場所柄で「ない時には出せないが、ある時には出そう」「次は私の番だね」という気持ちも見えたように思う。
出口付近には、デイオールドと称される「昨日の残り」のパンやベーグルの持ち帰りも用意されている。もちろん無料で持って帰ってもいいし、少々のお金を箱に入れて明日の朝トーストを食べるのも良い。
飽食の時代と言われる世の中、それでもまだまだ食事にありつけない人々がいる。冬なら暖かく、夏なら涼しい店内で、財布を気にせず自分の好きなものを選んで食事ができる場所がある。そんなところを知っていて損はない。こんな場所をサポートしたい、という人々がいる限り、この「パネラ・ケア」も続くはず。
ファーストフードのハンバーガーに罪悪感を持つ変わりに、パネラのサラダサンドとともにお腹も心もハッピー感を得ることができる。
現在、シカゴ以外にもボストン、セントルイス、ポートランド、ミシガンにもこの「パネラ・ケア」が店を構えている。
（シカゴ／あらた）
