Jリーグ20周年にチャンピオンズリーグ決勝と、話題が豊富なサッカー界だが、何よりマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督の退任発表には驚いたね。
 
1986年に就任してから、四半世紀を超える26年。僕が日本に来たのが40年前だから、来日して14年目からずっと同じクラブを指揮しているということか。その数字だけ考えても本当にすごいことだね。同時に、退任の衝撃もひとしおだ。日本のサッカーファンの間でもかなり話題に上っているね。
 
言うまでもなく、ファーガソンはピッチ上の監督以外の部分も担ってきた。チームのマネジメントという分野さえも超え、クラブの経営にまで完全に入り込んでいる。マンUの象徴であり、オーナーが変わってもその権力が揺らぐことはなかった。あれだけの存在感を持てる監督はそうはいない。

長期政権を担えたのは、もちろん、実績の積み重ねの賜物でもあるけど、僕は二つの理由があると思っている。

一つは、ファーガソン自身のカリスマ性。彼の指導力の根幹にあるのは、戦術云々でではなく、人心掌握だろう。ファーガソン自身に戦術性は必要ない。優れたアシスタント、スタッフを傍らにおき、自分はカリスマ、御大として君臨することで、これだけの長い期間、マンネリすることなく続けられてきたのだろう。

もう一つは、イングランドという国の文化だ。ファーガソンの他にも、アーセナルを16年率いているアーセン・ヴェンゲル、エヴァトンを11シーズン率いたデイヴィッド・モイーズ(ファーガソンの後任)など、プレミアリーグには長期政権が多い。これはこの国特有のものであるような気がするよ。英国人は我慢強いのかな。例えばブラジルでは長期政権などありえない。ちょっとでも成績が悪ければ、すぐにメディアの糾弾が始まってしまうからね。

個人的には、長期政権はデメリットよりもメリットの方が大きいと思っている。日本ではガンバ大阪で西野朗監督がそれに近い形だったかもしれないけど、20周年を迎えて、Jリーグ各クラブにももっと色が付いてほしいと思うね。一方で、ブラジルのメディアの追求姿勢は、日本のスポーツマスコミにない部分として見習わなければならない点も多々あると思っている。クラブもメディアもファンも、みんなが活性化する21年目であってほしいよ。