映画『ラストスタンド』は4月27日(土)より全国公開 
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“I’ll be back”
映画ファンでなくとも一度は聞いたことのあるセリフだろう。このセリフを発した俳優は、アーノルド・シュワルツェネッガー、日本では「シュワちゃん」という愛称で親しまれてきた。そんな彼の10年ぶり主演復帰となる映画「ラストスタンド」がいよいよ公開となる。今回は、本作に見え隠れするシュワちゃんの逸話を紹介したいと思う。これを知っていれば、映画をさらに楽しむことができるはずだ。

自身を投影したような主人公を演じるシュワちゃん
本作の主人公オーウェンズは、アメリカとメキシコの国境近くにある町の保安官だ。以前はロス市警の麻薬捜査課で働いていたエリートだったが、事件で仲間を失ったことで辞職し、隠居同然の生活をおくっていた。そんなある日、凶悪な麻薬王が国外へ脱出するため、オーウェンズの住む町に向かっているという連絡がFBIから入る。それを知ったオーウェンズは、戦いの場へと“再び戻る”決心をする。
演じるシュワちゃんは元々、世界的な大会で6連続優勝を成し遂げた有名なボディビルダーだった。俳優に転向すると、『コナン・ザ・グレート』や『ターミネーター』シリーズ、『コマンドー』など数多くの映画に出演し、ハリウッド・スターの仲間入りを果たす。03年には米カリフォルニア州知事に当選、「コナン・ザ・リパブリカン(コナン・ザ・グレートと、共和党員という意味のrepublicanを合わせた造語)」、「ガバネーター(知事を意味するgovernorとターミネーターを合わせた造語)」などと呼ばれながら、2期8年務めあげた。そして、映画界の第一線へ“再び戻って”きた。
今までは「向かうところ敵なしの」役どころが多かったシュワちゃんが、映画界本格復帰という大事な作品で、現在の自分を投影したような主人公を演じているのだ。もしかすると本作の裏テーマは、「シュワちゃん自身の復活」なのかもしれない。

車にまつわるすごすぎるエピソード
本作の見所のひとつであるカースタントには、高級スポーツカーが惜しみなく使用されている。これらの車を整備するために、大規模な専門チームまで作られたというから驚きだ。中でも、麻薬王が国外脱出をするために盗んだ車として登場する「シボレーコルベットZR1」は、市販車の中で最速クラスの性能を誇っている。この車をさらにカスタマイズし、最高時速400キロで走行できるようにしてしまったのだ。結果、CGに頼る必要がないほどのカーアクションを実現している。
車といえば、シュワちゃんにもすごいエピソードがある。ゼネラルモーターズから発売されていた高級SUV「ハマー」は、元々軍用車だったものをシュワちゃんの要請で民間仕様にした車だという。さらにシュワちゃんは本物の戦車を所有しており、カメラの前で実際に操縦を披露したこともある。

シュワちゃんの「心の声」がセリフに?
中盤の戦闘シーンで主人公は、思わず「年かな…」とつぶやいている。シュワちゃんは、既に65歳(13年4月時点)だ。このセリフは、日本なら定年退職を迎えている年齢になっても、自らアクションをこなしていることに対する自虐的なセリフなのだ。他にも、移民でありながら、州知事という公共に奉仕する仕事を望んだシュワちゃんの「心の声」としか思えないセリフが登場する。それを念頭に置いて映画を見ると、また違ったセリフの解釈ができて面白い。

そしてあのキャラクターも“I’ll be back!”
“アーノルド・シュワルツェネッガー”というハリウッド・スターは戻ってきた。しかし、これで終わりではない。シュワちゃんが演じた代表的なキャラクターが“I’ll be back”する。奇しくも知事時代のあだ名に使われた『コナン・ザ・グレート』と『ターミネーター』の続編が今後公開される予定だ。映画界に戻ってきたシュワちゃんの更なる活躍に期待したい。
(エキサイトニュース編集部 佐藤)