昨年、市名ネーミングライツ(命名権)の売却で話題になった大阪・泉佐野市が、またもや珍案をブチ上げた。全国でも珍しい「飼い犬税」の導入である。

 同市ではここ数年、公園や道路で犬の糞の放置が目立つ状況が続いていたが、これが「関空のお膝元にふさわしくない」との理由で、千代松大耕市長(39)が激怒。昨秋にはそれを取り締まる『放置フンGメン』なる組織を発足させ、糞を発見した場所にイエローカードを3日間置く作戦を展開した。
 だが、成果が一向に上がらないことから、市が事態改善に向け違反者への「過料徴収」と、「飼い犬税」の導入をチラつかせ始めたのだ。

 社会部記者がこう話す。
 「市の上層部は環境浄化と税収増の一石二鳥を見込み、実現に意欲を見せているという。ただ、市民からの批判も多く、導入実現はいまだ微妙な段階なのです」

 実際、この「過料徴収」と「飼い犬税」の導入に対する市民の反応は複雑だ。
 「関空のお膝元、今後発展する街としてはクリーンが当然」(30代女性)との声がある一方で、「たかが犬の糞に、なんで税金をかけなあかんねん」(40代男性)との反発も上がっている。

 また、市役所の中からは、こんな声も聞こえている。
 「犬の糞の放置が多いのは事実ですが、これは府下全体の問題で、泉佐野だけが酷いわけではないのです。なのに、これほど騒ぐと泉佐野市は環境問題に熱心というよりも、犬の糞だらけというイメージがついてしまう。それが心配です」

 要は市民を巻き込んだ、すったもんだの騒ぎが起こり始めているのである。そのためか、今では旗振り役の千代松市長の魂胆まで取り沙汰されているほどだ。
 市会議員がこう明かす。
 「市長は“ミニ橋下”の異名を持つ野心家。市長を足掛かりに、さらに上を狙っており、『目立ってなんぼ』という考えの持ち主なのです。結局、去年のネーミングライツが空振りに終わったため、“次のネタ”を持ち出したということなんです」

 同市の財政が逼迫しているのは事実だが、これが本当なら増税を課される市民はたまったものではない。