ついに日本球界だけで2000本安打達成、おめでとう!!

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2013年4月6日の神宮球場、横浜DeNAベイスターズVSヤクルトスワローズ2回戦。また1つ日本球界に新たな歴史が刻まれた。ラミちゃんこと、アレックス・ラミレス選手が日本球界だけで2000本安打を達成。外国人選手が名球会入りの基準となる2000本安打を達成するのは史上初。ヤクルトに7年、巨人に4年、そしてDeNAで2年……日本球界13年目、ついに偉業を成し遂げた。

この大記録達成が納得できる1冊がここにある。巨人時代に発売された本『ラミ流―How to succeed and be positive』(中央公論新社)だ。本書では、幼少時代〜将来の夢、ラミちゃんの人生、そして彼の哲学がまるごと語られている。そこには、社会で働く者として、人として、大切なことが書かれている。この本を読み終えたとき、彼が2000本安打を達成できたことに誰もが深く頷くことになる。

■ 日本へ感謝 ラミちゃんは、“ベネズエラ産日本人”
ベネズエラで野球の才能を開花させ、メジャーリーグへ。日本のスカウトの目にとまり、今がある。最初にメジャーから日本に来た理由は、アメリカに購入した家のローンを返すためだったという。1年で戻るつもりで来たにもかかわらず日本での前代未聞のキャリアを達成したのは、彼の“日本に対する”姿勢にあった。

たとえば、日本での日本式の「時間厳守」。
出発時間の例え5分前に到着しても監督よりあとに到着しては遅刻とみなされる。はじめは「出発時間より前に着いているのに、何で遅刻扱いにされるのか?」と理解ができなかったが、今は一番乗りを争っていると書かれている。

他にも、テレビをみたり、友達を積極的に作ったり、それをパフォーマンスに取り入れたり、球場まで電車で通ってみたり、日本食を積極的に食べたり、新聞を毎日読んだり……など日本に馴染もうと努力するエピソードは日本人にとって、とても嬉しくなるものばかり。

ラミちゃんが自分の中に感じている“日本人的な部分”は、「思いやり」と「他者を尊重する心」。震災でもいち早く寄付や被災地訪問を行ったり、今年は「ラミちゃん基金」を立ち上げるなどの行動も納得することができる。この本を読めば、彼の日本へ対する感謝の気持ちが大きく伝わってくる。日本人としての誇りを考えさせらるほど。ラミちゃんは、日本人以上に日本人なのかもしれない。

■ 常にポジティブ! 強いメンタリティーを持ち続ける
野球は、“マインド・ゲーム”(心や頭でするスポーツ)と考えるラミちゃんの頭が本書では展開されている。

「人間は心がけ次第でいくらでも変わることができる」ということが、大きくメッセージとして伝わってくる。彼は、試合に対して70%がメンタル面・30%がフィジカル面で準備をしているという。常にポジティブで闘争心を表に出すプレーを10年以上続けている裏には、このようなメンタルトレーニングがあったのだ。

■ 現役引退後は、日本球界で監督を
最後に書かれているのが、日本球界で監督というラミちゃんの夢。そうすることで、日本の野球界やファンが与えてくれたものに対し、恩返しができる喜ばしいチャンスと語っている。いつか、監督とコーチとして古田敦也さんと野球をやりたいなど本音も書かれていて興味深い。

明るく素直で謙虚な姿勢があったからこその今回の偉業達成。それを垣間見ることができる一冊である。外国人選手選手として日本にやってきて、スーパー助っ人と言われるが、もはや助っ人という言葉を使うのは申し訳ない。
日本球界の宝である“ラミちゃん”。近い将来、『日本球界で監督』という大きな夢がみれる日がまた楽しみで仕方ない。おめでとう、ラミちゃん!!
(ナナ)

■ ラミちゃんカフェ 公式フェースブックページ
アレックス・ラミレス 公式ウェブサイト
■ ラミちゃんカフェ / Ramichan CAFE
■ Amazon.co.jp: ラミ流―How to succeed and be positive