東日本大震災から1年、マスコミの災害報道について語る映画が公開
東日本大震災から、もうすぐ1年が経とうとしている。NHKでは音楽の力を通じて被災地にメッセージを届ける『震災から1年“明日へ”コンサート』、TBS系列では堤幸彦がドキュメンタリードラマ『Kesennuma,Voices. 東日本大震災復興特別企画〜堤幸彦の記録〜』を放送予定。ネットでも、「日本がいまどうなっているのか」を世界に向けてハッシュタグ「#311fromjapan」をつけてツイートしようという運動など各メディアや団体の企画が行われようとしている。そんな中、ある問題映画が公開される。
3月3日公開となる『311』は、作家、映画監督、ジャーナリスト、映画プロデューサーとそれぞれ違った形でメディアに関る森達也、綿井健陽、松林要樹、安岡卓治が被災地を撮った異色のドキュメント。震災をその目で確認するという共通の目的で集まった4人が、ガイガーカウンター(放射線検知機)が激しく反応するなか、東京電力福島第一原子力発電所への接近を試みる。さらに、津波の被害をうけた土地を訪ね、岩手、宮城を縦走した。震災の爪後が残る東北でどのような映像を撮り、振舞ったかを包み隠さず紹介。3.11に発生した震災を題材にしながらも、メディアの倫理観や在り方までも問いかける作品となっている。
阪神大震災の時「ヘリコプターの音で救いを求める人の声が消される」などマスコミ報道について批判が出た。この映画も、搬送中の遺体にカメラを向けたことで、遺族から「なぜカメラを向けるのか」と詰め寄られる報道の是非についてのシーンがある。大切な人を失い絶望の状態にいるのに「大丈夫ですか」とマイクを向けられる。大丈夫なわけがない。そんな無神経なマスコミの行動に「怒り」の感情は当然だろう。しかし、マスコミは、そうしなければ今の被害状況を伝えることができない。「伝えなければ」という使命感、「無神経なことするな」という感情、ジレンマが常につきまとう。
この映画では、被災地の圧倒的な惨状を映すカメラを、180度返し撮る側の様子もみせている。そこには、恐怖のなかで否が応でも高揚してしまう4人の姿が映し出されていた。マスメディアが決して露わにすることのない、撮る側にいる者の素顔が浮かび上がる。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された際には、怒号と賞賛が乱れ飛び、劇場公開も危ぶまれた。
その封印がついに解かれ、3月3日よりユーロスペースほか、全国順次公開となる。
・『311』 - 作品情報
・「東北・映画で元気に復興」特集
【震災関連の映画・TV記事】
・福島出身の監督が「立入禁止区域」まで取材敢行
・【3.11テレビ番組】『NHKスペシャル』9日間連続で徹底検証
・日医が津波映像「自粛」申し入れ テレビ局はどうするのか
・「日本に行きましょう!」台湾アイドル、PR用の短編映画を撮影
阪神大震災の時「ヘリコプターの音で救いを求める人の声が消される」などマスコミ報道について批判が出た。この映画も、搬送中の遺体にカメラを向けたことで、遺族から「なぜカメラを向けるのか」と詰め寄られる報道の是非についてのシーンがある。大切な人を失い絶望の状態にいるのに「大丈夫ですか」とマイクを向けられる。大丈夫なわけがない。そんな無神経なマスコミの行動に「怒り」の感情は当然だろう。しかし、マスコミは、そうしなければ今の被害状況を伝えることができない。「伝えなければ」という使命感、「無神経なことするな」という感情、ジレンマが常につきまとう。
この映画では、被災地の圧倒的な惨状を映すカメラを、180度返し撮る側の様子もみせている。そこには、恐怖のなかで否が応でも高揚してしまう4人の姿が映し出されていた。マスメディアが決して露わにすることのない、撮る側にいる者の素顔が浮かび上がる。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された際には、怒号と賞賛が乱れ飛び、劇場公開も危ぶまれた。
その封印がついに解かれ、3月3日よりユーロスペースほか、全国順次公開となる。
・『311』 - 作品情報
・「東北・映画で元気に復興」特集
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・【3.11テレビ番組】『NHKスペシャル』9日間連続で徹底検証
・日医が津波映像「自粛」申し入れ テレビ局はどうするのか
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