3D全盛の時代に、白黒のサイレント映画『アーティスト』が評価される理由
本日27日(日本時間)に開催された「第84回アカデミー賞」授賞式にて、巨匠マーティン・スコセッシ監督による『ヒューゴの不思議な発明』(3月1日公開)との“映画愛”対決を制し、ジョージ・クルーニー(『ファミリー・ツリー』)とブラッド・ピット(『マネーボール』)による2大俳優対決に割って入った『アーティスト』。作品賞、主演男優賞(ジャン・デュジャルダン)、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)、衣装デザイン賞、作曲賞の最多5部門を獲得した本作とは一体どのような作品なのだろうか?
昨年5月に行われた「第64回カンヌ国際映画祭」で、全くのノーマークだった本作に「今どき、白黒のサイレント映画!?」とのどよめきが起った。あまりの前評判の良さに急遽コンペティション部門に格上げされ、あれよあれよという間に主演男優賞を受賞。あまりのダークホースぶりにカンヌを“幸福な大騒ぎ”に巻き込み、その勢いを少しも失うことのないまま、本年度の賞レースに参戦している。
最新の映像技術が追い求められる現代において、ミシェル・アザナヴィシウス監督はスクリーンに“映画の歓び”、すなわち“人生の歓び”を極めてシンプルに投影。CGや合成技術はおろか、色やセリフまでもが姿を消してしまっているが、俳優の眉の動きが伝えるニヒルさ、視線で語る恋心、そして背中で魅せる哀愁など、頭ではなく心で感じ取ることのできる感情のエッセンスが溢れており、甘美でこの上なく美しい。こんな今だからこそ世界に足りないのは、古き良きハリウッドの黄金時代を舞台に白黒&サイレントという手法で描き上げる、ロマンティックな極上のラブストーリーなのだろう。
また、主人公の愛犬として名演を披露している、ジャックラッセルテリアのアギーは、「第64回カンヌ国際映画祭」でパルムドッグ賞を受賞。2月13日にロサンゼルスにて発表された、犬のアカデミー賞と言える「第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)」では見事、最優秀「俳優犬」賞を受賞している。
『アーティスト』は、4月7日(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー他全国順次公開。
・「第84回アカデミー賞」特集ページ
・映画『アーティスト』公式サイト
『アーティスト』ストーリー
1927年のハリウッド。サイレント映画界屈指の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、エキストラだった新人女優ペピーを見初め、人気女優へと導いていく。強く惹かれあう二人――。しかし、折しも映画産業はサイレントからトーキーへの移行期。サイレントに固執するジョージが没落していく一方で、ペピーはスターの座を駆け上がって行くこととなり…。ジョージに恋するペピーは、何とか彼を復活させようとするのだが――。
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・【速報】「第84回アカデミー賞」、注目の“映画愛”対決は『アーティスト』が制す
・【速報】「第84回アカデミー賞」ノミネート発表、『ヒューゴの不思議な発明』が最多11部門
・【速報】第69回ゴールデン・グローブ賞、『アーティスト』が最多3冠
最新の映像技術が追い求められる現代において、ミシェル・アザナヴィシウス監督はスクリーンに“映画の歓び”、すなわち“人生の歓び”を極めてシンプルに投影。CGや合成技術はおろか、色やセリフまでもが姿を消してしまっているが、俳優の眉の動きが伝えるニヒルさ、視線で語る恋心、そして背中で魅せる哀愁など、頭ではなく心で感じ取ることのできる感情のエッセンスが溢れており、甘美でこの上なく美しい。こんな今だからこそ世界に足りないのは、古き良きハリウッドの黄金時代を舞台に白黒&サイレントという手法で描き上げる、ロマンティックな極上のラブストーリーなのだろう。
また、主人公の愛犬として名演を披露している、ジャックラッセルテリアのアギーは、「第64回カンヌ国際映画祭」でパルムドッグ賞を受賞。2月13日にロサンゼルスにて発表された、犬のアカデミー賞と言える「第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)」では見事、最優秀「俳優犬」賞を受賞している。
『アーティスト』は、4月7日(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー他全国順次公開。
・「第84回アカデミー賞」特集ページ
・映画『アーティスト』公式サイト
『アーティスト』ストーリー
1927年のハリウッド。サイレント映画界屈指の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、エキストラだった新人女優ペピーを見初め、人気女優へと導いていく。強く惹かれあう二人――。しかし、折しも映画産業はサイレントからトーキーへの移行期。サイレントに固執するジョージが没落していく一方で、ペピーはスターの座を駆け上がって行くこととなり…。ジョージに恋するペピーは、何とか彼を復活させようとするのだが――。
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