誘惑の多い食べ物はできるだけ奥の見えないところに。

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最近、「マインドレス・イーティング」というのが静かな注目を集めている。これは食生活の見た目を変えることで、無意識に健康的な食生活ができるようにするというもの。

例えば、食品棚を開けたとき、最初に目に入ってくるもの、つまり一番前にあるものを手に取る確率は、後ろにあるものの約3倍あるのだそうだ。この性質を利用して、健康的な食品をわざと前の方においておくと、自然にそれを食べる確率が上がる。こんな感じで、無意識の行動を上手にコントロールして、食生活を改善しようというのがマインドレス・イーティングなのである。

マインドレス・イーティングを提唱したのは、アメリカ、コーネル大学で消費者心理学を研究するブライアン・ウォンシンク氏。ウォンシンク氏によると、食生活の改善には自分の脳をうまく「ごまかす」ことがコツであるとのこと。先に紹介したもの以外の「マインドレス技」には、例えばこういうものもある。

●12インチ(約30センチ)のお皿を使うと、10インチ(約26センチ)のお皿を使うときより約2割多く盛りつける

●大きな箱のシリアルを買うと、小さな箱のときよりも約2割多くお皿に入れる

●幅が広く背の低いコップには、細長いコップよりも3割程度多くついでしまう

●「Low fat(低脂肪)」など健康的な表現が商品ラベルに書かれていると、表示が無いときよりも約5割多く食べてしまう

これらの知見をふまえると、マインドレス・イーティング的にいけてる食生活はおそらくこんな感じだ。健康的で低いカロリーの食べ物をよく目につく場所に置き、お皿はなるべく小さく、コップはなるべく細長いものを使う。お菓子やシリアルの箱や袋はできるだけ小さいものを買うのが望ましいが、得てして割高になるため、大きいものを買って小分けにしておくとベストだろう。そして、健康的な表現のあるラベルはマジックで消して見えないようにしておけば完璧である。

これらを実践して、いつの日か、「あれ、今まで気づかなかったけど、私、痩せてきたんじゃね?」と驚いてみたいものである。
(エクソシスト太郎)