不要な服で、出来上がる。

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自宅のクローゼットの中には、あまりにも大量の服が放置してある。中には5〜10年着ていない服も、たっぷりと……。「もう、着ることはないだろう」と薄々は気づいているものの、処分できない。なぜなら、「もし3年後に、こんな服が流行る時代が再来したらどうしよう」なんて見苦しさ満点の未練を、私が抱えているから。
こうなったら、誰かに私の背中を押してほしい。着ない服を山ほど所有していたって、何の意味もないのである。

そんな時に、この情報は嬉しかった。オンラインショップの密買東京で、9月より発売されている『CROCHET RUG』なるラグが非常に有難いのだ。

このラグを製作する際、マストではないのだが、今はもう着なくなった皆さんの服を受け付けている。そして、その服をファッションブランド「meri」の作家・マリさんが、非常に色鮮やかなラグに生まれ変わらせてくれるそうだ。
どんな出来栄えになるかは元となる洋服次第だけど、一例として画像を見ていただきたい。どうですか、カラフルでしょう! 

そこで、作り方をザックリとご紹介。まずは、服を約1センチ幅に切り刻む。そして、色や柄の組み合わせを考えつつ、二枚を重ね合わせる。その二枚は違う生地なので、色合いはかなりランダムなものに。
そうして合わせた布をカラフルな糸でジグザグに縫い合わせると、不要だったはずの服がmeriの糸に変身! この糸をかぎ針でグイグイ編みあげていくと、最終的にこのラグの形になる。

ちなみにこのラグ作り、元々は作家のマリさんが友人のために行っていたもの。そういった経緯もあり、古着をもらってそれを材料に作るという方法を取っているそうだ。

だが、気になることがある。どんな素材の服でも大丈夫なのか? 例えばスーツとか、あるいは極端な話、ジーパンとか……。
「ニット以外ならほぼどんな素材でも、一緒に編みあげて糸にすることができます」(密買東京・担当者)

あと一つ、服のコンディションについても気がかりだ。何しろ、いらない服である。着倒して、ダメージ出まくりの状態になっている場合だってあるだろうに……。
「ダメージのある服でも、基本的には大丈夫です。1〜2センチの幅に切り、二枚の生地を重ねて縫い合わせますので、破れていても問題ないです。また、布が面で見えるわけではないので、汚れていてもわかりません」(担当者)

サイズは最小が50×40センチで、この大きさでの料金は18,000円(税込み)。5センチ単位でオーダーは受け付けられ、5×5センチを上乗せするごとにプラス500円となる。
「発注から到着までは、最小サイズで約2週間いただいております」(担当者)
完成までには、提供されたもの以外の服も混ぜて編んでいく。糸の特性上、送った服のみでの編み上がりではない。その点は、ご了承いただきたい。

完成形はこういった柄になるのだし、元は古着。今さら、汚すことを気にする必要もないだろう。それどころか、率先してガンガン使い倒していただきたい。
あとTシャツやパジャマなどの古着を使用していることもあり、吸水性に優れたラグになるという。実用性は高い。

個人的には、このラグをボーっと眺めているのが楽しいと思う。眺めながら、自分の洋服の面影を探す遊び。
そこで見覚えのある色柄を見つけたら、その時、きっとこう思うだろう。
「この服、捨てなくてよかった……」
(寺西ジャジューカ)