単3電池二本が使えるので、他社のスペーサーよりもハイスペック。

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思い起こすと、数か月前はあらゆる物が不足していた。言うまでもなく、“買い占め”の影響である。
現在は「物が手に入らない」という不安からは一段落した感もあるが、この夏の電力使用率を振り返ると気が抜けない。やはり何かあった際に、皆が買い占めに走るのは「乾電池」だと思うのだ。

そこで開発されたのが、大作商事が8月より発売している『単1のつもり』。これは単3電池を単1電池サイズに変換する電池スペーサー。
震災以降、乾電池で作動する防災用品(ラジオ、懐中電灯など)が続々と登場しているという。そして、それらの商品の多くは単1乾電池を使用しているが、単1乾電池の流通量は電池全体のわずか10%前後。やはり、いざという時には品切れとなり、肝心の電池が手に入らない、ということも予想される。
そんな時にこの『単1のつもり』を活用すれば、単3電池を単1に変換してくれるのだ。

といいつつも、このような商品は過去に見たことがある気もする。他社にも、こんな電池スペーサーはあったではないか……。
「今や電池スペーサーはどこでも手に入るようになりました。しかし他社のスペーサーの大半が、単3電池一本のみ挿入の仕様です。それに対し、『単1のつもり』は単3電池二本入れることができ、一本の時と比較してより容量を長く保つことが出来ます」(同社・担当者)
単純に容量が単3電池二本分になった訳で、他社のスペーサーよりもハイスペックを誇る物となっている。

また、この商品には世界初の“ポイント”がある。
単3電池を二個入れるスペーサーに、電池の+−の向きを誤った状態で挿入してしまったとする。すると、スペーサー内で直列で通電してしまい、数分で100度以上の高温に達してしまうらしいのだ。これは、危険。
そこで、『単1のつもり』では“ショート防止設計”を可能にした。誤った向きに電池を入れても、発熱しないのだ。この独自技術は世界初だそうで、既に国際特許も出願済み。

そんな“世界初の電池スペーサー”には、反響も続々と寄せられている。
「電池スペーサーをあらかじめ知っていた方もそうでない方も、この商品に対する関心は非常に高いです。Facebookやツイッター上で、一本でも二本でも使えることに対するコメントや、家電好きの方からはショート対策について関心を頂いております」(担当者)

そんな『単1のつもり』は、全国の家電量販店やホームセンター、東急ハンズ等の大型雑貨店などで販売されている。オープン価格だが、想定価格は二個セットで273円(税込み)。

最後に、この『単1のつもり』という商品名について。
「この商品名は、20代の女性社員が発案したものです。『震災などで不安な世の中に、優しく、みんなに愛される商品を送り出したい』という思いを込め、この名前にいたしました」(担当者)
同社では現在“○○のつもり運動”を提案している。例えば「バスに乗ったつもりで、歩いて健康、バス代を募金」など、世の中に役立つ様々な“つもり運動”を普及中。

やはり、色々な面で我々も変わっていかないといけない。そんな時代が来ているのかもしれない。
(寺西ジャジューカ)